情報密度の高まりを実感する

Mana が 2024年02月29日 に投稿
2024年04月16日 に更新
高まっていく情報密度。専門用語や固定観念に惑わされず体感していく。本質を実感することが重要。この考察では、情報密度の高まりに適応するための実践を記述した。

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概要

ビジネスでよく言及される「視座を高め、視野を広げ、複数の視点を持つ」という話。スピリチュアル産業でこれでもかというほど刷り込まれる「アセンション・次元上昇」というジャーゴン。マインドフルネスで指摘される「ルールに盲目的に従う」問題。

この考察は、これら現象の最も深いところにある本質を探り当て、混沌とした誤解を解き、壊死した固定観念を取り除くための情報をまとめたものである。

論点・要点

論点は「情報密度の高まりとは何か」であり、考察の要点は以下。

これら3つの要点から論点を解く。要点はそれぞれ「表層問題と背景の定義、表層問題の背後にある中間課題、問題を解く鍵の提示」という構造・流れになっている。要点の再統合が結論・解決策へと再構築される。


情報密度の高まり、症状と背景

まず「情報密度」を理解し、変化に適応するための基礎知識を獲得する。

情報密度とは何か

一般的に知られている情報密度の定義は「情報技術における、ある空間に存在する情報量」である。多くはWebページの情報量やストレージが保存できるデータ量に関連している。インターフェイスが(一度に)保持・連携する情報量がひとつ。限定領域における格納・利用できる情報量がもうひとつ。

ユーザー体験・プロダクトデザインの文脈では、一般的に「情報密度はできるだけ低く」が理想とされる。理由は認知負荷を軽減し、特定のタスクに集中してもらうため。国内最大手オンライン・ショッピングモールのデザインは、アンチパターンの具体例。ビッシリ書き込まれたExcelの課題管理表(WBS)も非推奨の典型例。

ストレージの文脈だと逆が理想。一般的に「ある空間・領域に保存できるデータ量の多さ」を評価する。この点で結晶化した水晶(Quartz Crystal)は特別。いわゆる「5D optical data storage」と呼ばれる技術では、メガネのレンズより小さいディスクに360テラバイト量のデータを保存できる。

情報密度は何か。より正確・広義に定義するならば「個別化された意識が、何らかの方法で同時に扱える情報量」である。あなたが瞬時・顕在的に扱える情報量が100メガバイトから1ギガバイト(1,000メガバイト)に増えるのが、情報密度の高まりである。

この情報密度の高まりは、環境との相互作用によって引き起こされることが多い。

情報密度が高まるとどうなるか

自身が同時に扱える情報量が10倍増える。情報理解が10倍高速に。以前の記事「文明と人類の課題に向き合う」の「非線形的なフィードバックループへの無知」でも書いたように、今の5倍〜10倍ほど同時に分析するモデルやフィードバックループを増やす。そう考えると解りやすい。

今まで四象限と矢バネで平面・時系列に単純化したロジックを使っていたコンサルが、12個すべてのレバレッジ・ポイントを同時に意識しながら観察する。オブジェクト指向は必須条件。直線性という固定観念(枠・フレーム)を外すと起こるのが、情報密度の高まりだ。水がもっと入ってくるよう、枠を交換する。

情報密度が高まることによって引き起こされる認知負荷について、実践的に考えてみたい。

大企業や政府のプレゼン資料をイメージしてみる。微妙でイケてないステンシルを多用したギッチギチのスライド。あらゆる情報を1つのスライドに詰め込むだけ詰め込んだそのスタイルは、PDFでジックリ読んでも「何が目的で、何を伝えようとしているのか」まったく解らない。

読み手の認知負荷を無意味に最大化する。対象に不要な苦痛を与える。これが大企業や政府の資料。

大企業や政府のプレゼン資料は、無駄に情報量が多いだけなのが問題。認知負荷が高まるけれども、情報密度の高まりによる恩恵は受けられない。とはいえ、圧倒的な情報量を扱う際のストレスには通じるものがある。

このような不快感が、進化の過程(の副作用)で起きている。それがVUCAな世界の正体。快適領域から不快領域への拡大ともいう。情報密度の高まりによって知覚・経験される症状。

情報密度が高まる背景は何か

環境変化、人間としての進化、その相互作用による情報密度の高まりと認知負荷の増大。これが今はじまっている現象。理由や背景をヒトコトでいうと「太陽系の変化」である。

地球が変化しているということは、太陽系が変化している。太陽系が変化しているということは、銀河系が変化している。このような認識が必要。個人的には、月も変わったように経験される。地球環境のバイブスも変化してきており「水中で窒息しそうになりながら、何とか生きていた」感覚が軽減されている。

技術的にいうと「銀河系はすでに量子クラウドで、太陽系は64bitクラウドで、地球は32bitクラウド」である。この32bitクラウドは太陽系の64bitクラウド上に構築された仮想宇宙であり、人々はチート機能と膨大なナッジによって8bitのエミュレート環境(幻想システムとマインドの檻)で生きている。行動変容の妙技。

この状況は異常事態であるため、真源(True Source、First Source)の意志で移行が計画・実行されている。というのが個人的な理解。あまりにも狭く閉じた領域(の内外)で問題が起きすぎたため、銀河のバランスが崩れた。山積した問題を解決するための対策のひとつである。

まとめ:情報密度の高まりとは

情報密度とは同時・一定領域で扱える情報量を指す。情報密度が高まると不快感も高まる。理由は認知負荷が増大するため。これは一過性の症状で、多くの情報を扱えるよう進化していることが原因。情報密度が高まっている背景は、この太陽系の変化にある。太陽系の変化は山積した問題を解決するための対策のひとつ。


古典・思想・学問が邪魔な理由

次に「情報密度の高まりへの抵抗」を理解し、変化への適用を阻害する要素を特定する。

古典を避けるべき理由

洞察レポート「意識拡大と環境変化のメカニズム」で取り上げた問題と同じ理由。

数千年〜数百年前のメンタルモデルを高度な教養として思考様式・行動規範とするのは、まるで「64bitマシンで動作している頭脳に16bitエミュレート環境を入れ、高度な教養を育んでいる」こと。もしくは「光ファイバーを使わず、56Kダイアルアップを教養だと思っている」のである。DNAにまつわる黒魔術とみて間違いない。

古典は知識として役立つ部分も大きい。ただし、情報密度の高まりを受容し、環境に適応していくという文脈では邪魔になることが多い。14世紀に開発されたメンタルモデルを実装し、そのメンタルモデルを中心にマインドセットを構築することを考えれば明白。

情報量・密度がスッカスカな時代のモデルを扱うには、使い手にテクニックが求められる。

例えば地動説と天動説。一般的に天動説は間違いで、地動説が正しいという共通認識で統一されている。本当は(この太陽系を含む)太陽系における惑星の仕様についてはそうなのであって、個別化された意識など、錬金術や魔術が扱ってきたテーマについては別の話。これを古典的な理解は同一視する傾向がある。

思想が適応を妨げるメカニズム

古典と思想は類似だが、思想は現代も含む。思想とは「特定の意見や信念を持っていること」を意味する。語源の意味からして、真偽が証明されていないモノゴトを愛する人(be-lief)であり、信念とはメンタルモデルとマインドセットで構成された思考様式・行動規範。仮想宇宙や文明のコアシステム。

この地上世界は、単純なモノゴトやひとつの事象に複数の名前やロジックをつけて混乱を生み出す。思想・信念・思考・想念、すべて本質は同じで「マインドのモジュール」である。膨大なオブジェクトの集合体がシステム統合され、パターン化された「心の枠」でしかない。精神・心・霊、すべて同じである。

思想を手放せない、もしくは特定の思想というレンズでしか世界を見ないのであれば、何を見ても同じ。常にPCメガネをかけてパソコンやスマホのスクリーンをナイトモードにしていると、青が緑に見える。次元上昇というメガネをかけて森羅万象を判断し、次元を上昇していると錯覚する。上下に係る概念操作のプログラミング。

学問が立脚する思考停止の領域

驚くことに、地上の学問は宗教に立脚している。

この事実を受け入れ、文明基盤を入れ替えるまで、混乱状態は続く。西洋では、明確に「天が与えたもの、人が決めたもの」というメンタルモデルを継承している。そして同時に「自然とは超克するもの」という別のモデルもある。自然と天は本質的に同じであるため、衝突と自己矛盾は避けられない。

アジアでも同様で、日本の場合は神社文化が目立つ。個人的な調査の結果、その中身はアヌンナキやイギギ、その他種族である。巷では一柱の神にひとりの存在を当てはめる予想ゲームが後を絶たないが、擬人化とはそういうものではない。思想の体系化には隠れた意図がある。

宗教という土台の上に、直線時空の概念に支配された数学・歴史・科学・哲学などが載っている。テクノロジーも例外ではない。地上文明のテクノロジーは主に数学を基盤としている。心理学や行動経済学も同様。カンタンにいえば「衝突と混乱が起きるよう、分離目的でデザインされたモデルを基盤としている」のである。

まとめ:古い情報が邪魔になる理由

古い情報は新しい事象をそのまま観察するときの邪魔になる。古いレンズを通して森羅万象を見ると、すべては昔のままなのに、なぜか予測不能な世界になってしまったと感じる。古いレンズという思考の枠を取り換えてみると、まったく違った情報に触れることになる。アタマで理解しただけでは、絶対に実感できない。


森羅万象を複雑系として再認識

最後に「情報密度とシステム」を理解し、錬金術師のように「自然の書」を読んで変化を起こす。

縦横立体の分極化に囚われない

よく「二極化」という。分極思想はあらゆる場所に埋め込まれている。ポジネガ、上昇下降、高次元・低次元、善悪、光・闇。キリがない。ほぼすべての思想に埋め込まれているといっても過言ではない。

この分極化、2つ組み合わせてマインドの檻や幻想システムの基盤をつくり出すことも可能。天地という分極思想を上下で組んで、男女性を左右に組む。カバラのセフィロト、生命の樹が完成。天のケテルから流出し、地のマルクトが完成する。柱は3本あって、女性性・中性・男性性とされている。地上宇宙の基盤である。

四方の風も同様で、東西南北に四大元素をマッピングすれば、魔術基盤の完成。火・地・風・水という性質を文字通り極性の四方で定義し、円もしくは四角の結界内に意図とエネルギーをプログラムする手法。個人の生活魔術から、地上文明を支える基盤の一部まで広く使われている。四方の国中(よものくになか)という魔術結界。

このような支配術式を通して世界を観ていると、そのレンズが普遍・不変であると勘違いしてしまう。普遍的な性質の一部を利用したフレームワーク(枠組)であることを意識しながら使うと効果を発揮する。外側の意識。

科学や学問が抱える課題

マインドフルネスの専門家が書いた本に面白いことが書いてあった。多くの病院で見舞客が午後7時以降滞在できないルールは見直されるべきだと。おそらくそのルールは恣意的に決められ、患者にとってもスタッフにとっても一番いいと考えたのだろうと。患者の回復に身近な人の精神的サポートが重要であることが研究によって証明されているため、見直されるべきというのが、その主張である。

書籍「解決できない問題を、解決できる問題に変える思考法」の224-227ページには、役立つ考察が書いてある。セクション「合理的な説明を探る」では、一見不便で間違っているように思えるモノゴトを決めつけず、深く考えるべき理由について、コペンハーゲンのパーキングメーター事例と共に検討されている。

前述の病院の面会時間は、病院のオペレーションを患者側から見るだけでは見えてこない。アメリカのような訴訟文化、医療現場や経営課題、その他もろもろ考えるべき要素はあるはずだ。面会時間は恣意的に決められたルールで、マインドレスに従うのではなく、マインドフルに見直せという判断に自己矛盾を感じる。

同様のパターンは「専門家の書籍」でよく見かける。認知バイアスの専門家が、強烈なバイアスを著書で表現しているなど。これら問題の原因は、科学や学問の基盤。専門性という名のもと分離を深め、統合できなくなってしまった。渦中では気づきにくい課題のひとつ。人を責めるな、システムを変えろ、が活きる局面。

複雑系を複雑系として扱う必要性

分極化、深まる分離。これらを深く観察・考慮すると顕在化するのが「私たちは森羅万象を単純化しすぎた」という課題。最新の量子力学でさえ、同じことを繰り返している。ここに文明・科学・学問の基盤である宗教的枠組みが大きな影響を及ぼしていることは間違いない。ある領域から先が、ある種の思考停止になっている。

私たちには情報構造を透視する能力がある。意識や情報に深く入るとき、それに気づく。

光も闇もない、気づきがすべての空間で知覚(透知)されるのは、基盤となる思想を多重継承している入れ子構造である。生命の樹というか、オークの巨木に延々と接ぎ木された幻想が視える。コンサルのロジックツリーのように単純でも直線的でもないそれは、オブジェクトの関連性というか、複雑なネットワークと大量のノードとして知覚される。つまり複雑系(難解なシステム)である。

重要なのは完璧さでも理論でもない。私たちが個人として、複雑なものを複雑なものとして捉え、圧倒的に情報量を増やし、世界を理解する努力と姿勢である。その過程で「必要だが、大きな認知負荷」を感じるだろう。そして、その時期はもう目の前に来ている。行き来はできるが、後戻りはできない。

まとめ:自然エキスパートになるには

情報密度の高まりと、森羅万象という複雑系には深い関係がある。森羅万象をより深く理解するためには、情報量を圧倒的に増やし、認知負荷の増大を受け入れ、一度に扱う情報量と系を増やす必要がある。現状維持の文明が基盤とする思考停止領域を交換しなければ、砂上の楼閣。錬金術師が伝承する「自然の書」の読みかた。


結論・解決策

情報密度とその高まりについて、古い思想・思考の枠組みが妨害術式になる理由、森羅万象という複雑系である「自然の書」を読むために必要な知識を検討した。3つの枠をさらに3つに分解する、マジックナンバー9を使った考察により、結論は「文明基盤を交換すること」となった。

論点は「情報密度の高まりとは何か」である。再度、解決策から根本課題へと割り戻すと、根本課題は「思想・信念体系、思考の枠組み、宗教的な文明基盤」である。文明基盤である文化(culture)は文字通り思想体系であり、これは生物学的な系でも同様。つまり「原点 = 課題」となった。

文明基盤とは複雑系のコアであり、ソフトウェア・ミドルウェア・ハードウェアの相互作用と関係がある。つまり、マインド時代の「ものづくり」の基本・中核ということであり、電磁テックの残滓である日本語を理解する日本人が惑星テラフォーミング(仮想化技術)に貢献できるということである。

神話と神社システムの「見た目」に惑わされないように。オーバーライドにも要注意。