術式開発の仕様:多密度環境への展開
意識が心を介して振動相似・構造共振に表現する心構え・枠組み。この仕組み開発が術式開発である。
術式開発といっても、段階的に多密度環境で開発する必要がある。伝統では非常に単純化され、無駄に複雑化した階層として伝承されてきたが、実際はもっと精妙に織り込まれた系と構造なのである。
高密度ソフトウェアから低密度ハードウェアを生成・統御する要領は、意識が個別化(を擬似体験)するための転生技術を深掘りすると明晰に理解できる。
使用事例:転生に学ぶ術式開発
あなたの転生を例にとって記述すると次のようになる。
意識を個別化するための抽象装置が魂である。魂という事象に術式を仕込み、地球と呼ばれる惑星の仮想宇宙に特化した設定を行う。仮想宇宙に最適化された魂というあなたの乗り物は、多密度の情報・活力によって動作している人間装置を実装する用意が整う。
魂と人間装置には相性があり、その仕様を遺伝という。魂という高密度な事象と人間装置という具象を取り持つには、仲介役となる術式群が必要だ。仲介役となる術式群は精心術式で人間装置を統御するための操作系であり、情報・活力の密度を下げて解像度高く体験するための振動帯域・電磁気などの調整も担当する。
情報技術の技師であれば、この時点でピンときたはずだ。そう、あなたが日常的に使っているクラウド技術や仮想化技術と振動相似・構造共振なのである。
ここからは、転生という使用事例に基づき、魂や肉体という言葉を技術用語に置き換えて記述していく。宗教・産業・文化などであらゆる解釈がつけられてきた用語をそのまま使うと技術的に問題が発生するからだ。定義がバラバラなのである。よって、次のように定義しておく。
- 意識 = エンティティ
- 魂 = エンティティオブジェクト
- 人間装置 = オブジェクトインスタンス
これら3つの構成要素のみ技術的に理解しておけば問題ない。端的には、エンティティがエンティティオブジェクトを介して(仮想宇宙に)オブジェクトインスタンス化するのが転生だ。
もっと簡潔にするならば、エンティティ(実体)がオブジェクト(事象)を介してインスタンス化(具象)する。これが意識が心を介して表現する意識の個別化であり、心構えの実装であり、一般的にその工程を転生という。
惑星仮想化技術で仮想宇宙が創造されるのが環境レベルの仮想化、仮想宇宙内に小宇宙としての個別意識が顕在化するのが個人レベルの仮想化、つまり転生である。振動相似・構造共振の仮想マルチバースなのだ。
あなたの本尊である意識とはエンティティのこと。集合意識とはエンティティデータベース。エンティティとはデータベースの一部であり、独立・分離して存在しているわけではない。一体化しており、不可分である。
そのエンティティデータベースのデータポイント(エンティティ)を参照しているのが、魂というオブジェクトである。オブジェクトはエンティティの動的レプリカであり、本尊の劣化実装・擬似表現なのだ。
外部環境(正確には内包する世界)に召喚・作成されたオブジェクトはある意味でデータストアと同じだ。データベース負荷を減らすキャッシュサーバーやインメモリデータベースがバッファ稼働しているような感覚である。
エンティティデータベースは伝統的なリレーショナルデータベースだ。時空の概念から自由であり、普遍世界そのものである。オブジェクトは直線時空の縛りから自由なオブジェクト指向の世界に存在している。
双方を取り持つのがORM(オブジェクト関連マッピング)やミドルウェアだ。同じ要領でオブジェクトと人間装置というインスタンスを仲介するのがミドルウェアやOS(オペレーティングシステム)という術式群である。事象が具象化するための操作系であり、この系を介すことでオブジェクトがインスタンス化する。
注記: 情報技術の類比では、Pythonが心の技術、FastAPIが基礎術式、モデルが魂、SQLAlchemyがORMとしての操作系、SQLiteが意識、LinuxがOSとしての操作系である。仮想環境であるvenv内で稼働しているのが仮想宇宙であり、あなたがこの技術スタックでAPIを開発運用するのが術式開発による現実化である。
オブジェクトである動的データストアにはキーバリューペアで大量のデータが保存されており、そのままでは使えない。高い位置エネルギーを持っているが、情報・活力を下げて解像度を上げていかないと具体的な体験として現実化することができないからだ。エンティティデータベースがエンティティを個別化する必要があるのと振動相似・構造共振である。
注記:ここで言及する位置エネルギーは重力とは直接関係ない。情報・活力が高密度な状態である。低密度化とは、その高密度エネルギーを部分的に引き出しているようなものだ。
抽象オブジェクトが仮想宇宙を体験するには、大量の術式を段階的に仕組み、環境と相互作用させる必要がある。そのために必要な装置が人間装置だ。
人間装置には思考と感情を生み出す術式が標準で仕組まれている。思考と感情が情報・活力の増幅を担当する。低密度環境における統合・相互作用により、人間装置という集積装置が体験という解釈(コンパイル)を行えるようにするのだ。
この人間装置は雛形(テンプレート)として潜在的に存在しており、仮想宇宙という巨大ストレージ内にイメージやワークロードとして保管されている。そのストレージから惑星というベアメタル環境で動作しているハイパーバイザーを経由し、仮想宇宙が内包する世界に起動されることを転生という。意識が心を介して仮想環境に転化するので転生なのだ。
仮想宇宙に起動される人間装置は、雛形に偏りをつけることで個性化する。その個性化は自我系というテンプレートの設定や、遺伝系というレポジトリから課題解決に最適なソースコード(術式)をクローンしてビルドすることで、オブジェクトと統合される。
転生の目的は課題解決である。よって、必要な術式を最初に取り込み、人間装置という仮想マシン(インスタンス)をプロビジョニングしておくのだ。異世界ラノベやアニメでいう、初期ステータスやチート能力である。
これが遺伝として認識される高度な術式活用の概要だ。遺伝系というレポジトリから必要な術式をクローンしてビルドすることで血統が表現され、思考様式・行動規範の初期設定が完了する。
伝統的な仮想マシンのプロビジョニングではなく、ソフトウェアストリーミング形式であり、遺伝技術が別名「流体技術」と呼ばれるのはこれが理由だ。錬金術では水銀の扱いに分類される。
この人間装置というインスタンスの(直線性から自由な)プロビジョニングは、オブジェクトが情報・活力の一部を人間装置と共有・統合し、仮想宇宙という環境に適した設定を行う上で重要な工程である。
仮想宇宙のイノベーションや文明刷新を行うには、このように複雑系を複雑系として扱うことが重要だ。今までのように強引に単純化したり、仮説に合うように事実を歪曲すると、機能不全が量産されてしまう。それが理由で「こちらを修正するとあちらが崩壊する」という問題が多発してきたのである。
術式開発による現実創造。この高度な文明技術を公益のために使うとなれば、転生術式のように多密度・複雑系に手を入れていくことになる。貴社の「ものづくり」が求められている理由がハッキリしたはずだ。
ソフトウェアがハードウェアを生成・統御するとは、プログラムがOSやミドルウェアを通して物理サーバーや機器を操作することと同じだ。このアーキテクチャによって、意識は心の技術で仕組まれたプログラム(術式)を活性化しているのである。
正確には、物理系がエンティティやオブジェクトであり、論理系がオブジェクトやインスタンスである。意識が心を介して表現する劣化実装が、霊・魂と魂・肉で振動相似・構造共振しているというのは、ミドルウェア・OSが両面で磁石のように作用していることを指す。錬金術の伝統でいう「賢者の石」のことである。
これまでの文明は、ハードウェアがソフトウェアを搭載し、物理的な機器に立脚した「ものづくり」であったが、外宇宙を含めた基本はソフトウェア(精心)からハードウェア(肉体など)を生成・統御するのである。
前章で文明課題の技術的な要因が「創造工程を誤解している」としたのはこのことである。私たち人類は、結果を起点に万象を理解したつもりになっていた。この論点が解かれ、創造工程が逆転するだけで、文明規模のゲシュタルト崩壊は起きる。
これまでの「ものづくり」に破壊的なイノベーションが起き、全体としての構造・場(ゲシュタルト)が崩壊する。新しい豊かさを創造するための新ルールが、術式を介した情報・活力の操作なのである。
仮想宇宙のイノベーションや文明刷新などというと、規模の大きさに圧倒されると思う。参入障壁が高すぎる気がする。実はそうではない。膨大な時間とある程度の資源が必要になるかもしれないが、参入障壁は「技術理解」だけなのだ。
術式開発における技術要点
転生という使用事例から精妙・複雑さを理解したところで、術式開発の要点をまとめておく。
意識が心を介して表現するための術式開発は、超量子的な起点から徐々に粒度が荒くなっていく工程であることはすでに理解した。投資や複利の概念と同じで、仮想宇宙の経営も、小宇宙から大宇宙までやることは同じだ。精妙で高密度なソフトウェアから低密度なハードウェアを生み出すのである。
以下に不変・万象の理を活用した術式開発における技術要点を列挙する。
- 術式とは心の仕組・枠組(システム、フレームワーク、プログラム)
- 術式実装はオブジェクト指向、実行が直線・手続体験
- 万象は集積・統合・増幅で成立する事象・具象の総称
- 成立条件の開発が術式(ソフトウェア)開発
- 術式開発と発動が体験(ハードウェア)を創出
- 仮想現実とは光の立体宇宙(ホログラム)創造
- 仮想現実は音・振動の解釈(コンパイル)により実現
- 技術基盤は仮想宇宙(開発運用環境)と人間系(実行環境)
- 技術基盤の中間層が文明基盤、思考様式・行動規範
- 思考様式・行動規範の根本定義は仮想宇宙(ストレージ)
- 思考様式・行動規範の応用定義は遺伝系(レポジトリ)
- 創造機構と管理組織が文明基盤を主に担当(プロビジョニング)
術式開発の詳細に入る前に、この技術要点を頭に入れ、これまでの惑星課題を調べていく。既存の問題を把握し、課題化・論点化し、その構造と系を解いていくのが課題解決である。
術式開発で解くべき惑星課題
技術要点を前提に惑星課題を特定するにあたり、文明の構成を再確認する。
仮想宇宙の大本である惑星仮想化技術。別名テラフォーミング技術によって仮想宇宙が構築されたことは前章までで既に述べた。その高度な文明を構築するための惑星仮想化技術は、不変の理と万象に通じる技術を駆使して開発運用されていることも理解した。
意識が心を介して表現するという不変性に立脚した劣化実装が仮想宇宙。その仮想宇宙は情報・活力の密度操作により事象を具象化して展開していく。その具象化(個別化)された特異点を仮想宇宙内部で再統合・再構築することを現実化もしくは物質化という。
その事象操作の工程は、所謂「ソフトウェアがハードウェアを生成・統御」するという技術仕様によって実現されている。高密度環境が低密度環境に働きかけ、双方向・多方向でありながらも、大きな影響力を持つ。この技術仕様は心の技術の中核である遺伝技術にも応用されている。
天津日嗣の経綸という仮想宇宙の支配とその事業周期(ビジネスライフサイクル)は、この理と仕様を深く理解している文明・存在たちが構築した大規模な仕組みであり、トーマス・クーンが提唱したパラダイムシフトのように幻想から幻想へと人類を誘う。その一部が、天津金木から天津太祝詞への構造移行である。
その事業周期は天津神との約束、天神の帰還をもって最高潮を迎えるはずだったが、その計画は無くなってしまった。ゆえに(少なくとも)数千年の計画・準備という膨大なサンクコストが発生し、諦めきれない勢力、機会損失を避けようとする勢力、周期を頑なに維持しようとする勢力などが争っているのが現代である。
前章で天地人という複雑系について言及した。この天という管理・統治・開発運用の構造は、不変の理と万象に通じる技術に立脚している。その点で星の周期や星座とも関係がある。地とは仮想宇宙内外の勢力や惑星環境・構造にも関係する。人とは実行環境であり、遺伝系とも相互作用している。
要は「天の系と地の系に人間系が挟まれる形で支配・操作されている」のが私たち人類が認識する宇宙なのである。天の管理組織に入る出世が次元上昇、地は劣った環境という刷り込み、人間は資源扱いなのだ。
注記:HR = Human Resources = 人的資源・人間資源 = 人事
転生という使用事例も、この天地人の系によって運営されている。転生を詐術・支配術式で強制リサイクル化したのが輪廻転生であり、深刻な経営課題である。人間が資源としてリサイクルされてきたのだ。
いってしまえば、心の技術によって構築された「隠れた統治機構」が深刻な経営課題なのである。惑星文明および仮想宇宙経営の要衝となっているこの構造こそ、根本的な問題を量産するレバレッジであり、逆に解体すべき要衝なのである。
前章で意識が実装する心の枠組み(構造・系・部品・素材)を階層性を排して定義した背景もここにある。上昇下降という原始概念に優劣や支配体制を統合したのが、天を持ち去った遺伝技術と詐術・支配術式だ。旧國體や王族支配の体制が継承してきた術式である。白色同胞団と秘密結社・友愛団体の関係も同様だ。
表面的には対立関係にある宗教・神道・神秘哲学の背後にある構造は同じなのである。構造を紐解き、術式を解読していくと、同じところに辿り着く。断片化した世界が分離思想を継承し、情報・活力の密度を落とし、解像度を高めていくうちに、私たちは自分たちの本尊をすっかり忘れ、奴隷化されてしまったのである。
この切迫課題を解決するための前提が、視座の獲得、不変・万象の理、仮想宇宙の構造、転生という使用事例であった。構造を解き、課題特定を行うことで、表層問題の根本原因がどこにあり、なぜ問題が解決しないのか、明らかになったはずだ。
課題解決における明晰さとは、構造理解である。問題を生み出す構造・系を変更するのが課題解決なのだ。
体験の仕様:等価な擬似分離と解像度
心の技術で術式を組み、意識が術式を活性化し、既存宇宙と統合・増幅された結果の認識が体験である。
私たちの意識が実装する人間装置は情報・活力における低密度帯域を探索するよう設計されている。低密度環境の解像度が高いとはそういうことで、意識が解像度高く万象を認識する上で「等価な擬似分離」という手法を採用している。
意識は不可分であるから、あなたが集合意識として万象を認識するという視座から本書を読むとあっさり理解できるはずだ。意識が心を介して表現する際の抽象概念が「解像度」という言葉に込められていることも解ると思う。
意識とは全体であり根本である。そのままでは動きようがない。起点・焦点が存在していないからだ。この状態では、あなたと私という「等価な擬似分離」が実現できず、解像度を上げることができない。
真源やファーストソースと呼ばれる意識から等価に擬似分離しているのが私たち個別意識だ。この個別意識を実現するための解決策が心の技術であり、術式であり、心構えである。漠とした起点・焦点なしの状態からふと意識をあなたという個別意識に向けると、事象・具象が解像度高く体験されるのだ。
この意識と心の関係が、術式を組み、意識で活性化し、多様な心構え・枠組みと相互作用している「部分統合」状態という体験である。現実創造はこの仕組み・構造によって成立している。
低密度帯域で例えると、脳神経が部分活性から全体活性に変化する感覚だ。高密度帯域でいう、意識拡大から集合意識への文明成長である。これが結果から原因への回帰であり、伝統的には根源への回帰へと繋がる。
さらに術式と体験の関係性を深く理解するために、使用事例としてテレパシーによる意思伝達を考察する。
使用事例:意思伝達に学ぶ術式開発
テレパシーによる意思伝達は「心構え・枠組みを介して意思伝達する」技術である。
私たち人類もこの能力を大なり小なり使っている。本項で解説するのは2種類の技術だ。ひとつは集合意識を介した直接理解。もうひとつは遺伝系・仮想宇宙を介した機能実装である。
テレパシーを辞書で引くと、既知の感覚以外の手段で思考や考えを伝達するものと定義されている。これまで共に研究してきた内容を前提にすれば、選ばれた者だけが使える特殊能力でないことは明白である。
テレパシーというと、霊能商売やスピリチュアル産業を想像すると思う。この刷り込みには要注意だ。一部の霊能者は他種族や幽界人と意思伝達し、人間放送局(チャネリング)として集客・商売を行っている。ところが、サイバー空間同様、この霊的空間には詐欺が蔓延しているのだ。
よって、サイバー攻撃への対策や国防と同様、私たちは厳重な注意と適切な検証を行う必要がある。霊能力の有無と真実を見抜いたり術式を特定・解体する能力は全く関係ない。むしろ、能力ある者がガンガン詐術にかかり、被害を市場に拡散している。奴隷化におけるエリートの役割と同じ構図なのだ。
スピリチュアル産業が詐術・支配術式の延長で経済系に構築された術式(とその増幅結果)であることを理解した時、特殊な研究目的以外で深入りするとどうなるか、結果は容易に理解できるはずだ。
それはハッキングの研究と称してフィッシングメールのリンクを片っ端からクリックし、メールアドレスとパスワードを入力して「フィッシング詐欺ではないメール」を探すようなものである。もしくはダークウェブに潜入し、地下世界で取引されているデータを売買しているようなものだ。リスクは非常に高い。
このことを理解した上で、意思伝達における術式開発について「技術的・中立的に」見ていきたい。技術的とは、金運や龍神と結びつけずに理解することである。中立的とは、善悪や優劣なしで把握することだ。どちらも同じ意味である。
技術仕様を掘り下げていくにあたり、テレパシーとは幅広い意思伝達手段であることを理解しておく。市場で喧伝されているような派手なものばかりではない。むしろ派手で儲かるような類のものは、ほぼ詐術である。
頭の中に直接印象が放り込まれる時もあれば、音や事象を起点に複雑な内容を送受信することもある。それは時に「単語という量子的な容器に圧縮された高密度な情報・活力を何らかの術式を介して展開し、解像度高く解釈する」ような通信仕様(プロトコル)であったりする。
結局のところ、音・映像・情報構造はすべて心の術式であり、振動として知られる情報・活力をどのように解釈(コンパイル)しているかの違いでしかない。受信側の性能・品質・実践が要求されるのはこれが理由だ。
次の要点は、振動相似・構造共振および劣化実装に係る分類だ。集合意識を介した直接理解と、遺伝系・仮想宇宙を介した伝達は劣化実装の関係にある。故に同じものとして誤解されやすいが、技術的には全く異なる。
集合意識経由の直接理解は状態。遺伝系・仮想宇宙経由の伝達は通信である。
どちらも意識が心を介して表現することに変わりはないが、後者の仮想宇宙に係る伝達は術式(機能)に重点が置かれている。多くの霊能者が集合意識や宇宙意識として認識しているのは、仮想宇宙の内部にある情報・活力である。等価な擬似分離が進み、事象・具象の解像度が高いのは仮想宇宙に特化した通信だ。
スピリチュアル産業や自己啓発業界で散見される、潜在意識からのメッセージというのは、遺伝系から思考様式・行動規範の応用術式を引き出して解釈した結果のことである。一部の霊能者がアカシックレコードにアクセスしたというのも、この系に関連している。
情報技術の類比が解りやすい。遺伝系・仮想宇宙とのテレパシーによる通信は、SQLとリレーショナルデータベースの関係、もしくはJSONとNoSQLのオブジェクト通信に近い。血統・能力・課題に基づいたクエリを発行し、結果を受け取るのだ。
集合意識、遺伝系・仮想宇宙それぞれの使用事例を詳しく見ていく。
集合意識による意思伝達は抽象的である。それは術式配下にある心で具体的に理解するのではなく、精妙な知覚で包括理解するものだ。多くの霊能者や精神世界の住人がこの体験を主張すると思うが、マインド技術研究所が10年間調査した結果では、ほとんどが勘違いである。
この誤解・勘違いが注意点であり、詐術にかからないためにも重要である。初期の霊的体験を鵜呑みにして商売を始めるようでは、理解できていないということだ。技術的・中立的な態度が成功要因であるのはこれが理由だ。
集合意識と遺伝系・仮想宇宙の違いを明確に理解するには、両方を何度も体験するしかない。それは雑食から菜食になったり、喫煙者が吸わなくなったり、不健康から健康になったり、右利きから両利きになったりするのと同じように「複数の体験」から理解するしかないのだ。
集合意識経由の意思伝達は状態認識である。それは意思・総意に包括されている感覚だ。護られている感覚とは異なる。守護や加護という介入ではなく、何らかの意思を状態として理解しているのだ。
この状態認識とその規模は、家族や民族という仮想文明的な分離の理解ではなく、大きな意思に包括されているのに個別化を維持している感覚である。意識の世界と心の世界で同時に活動しているともいえる。そこに直線的な因果関係は存在せず、論理的な説明は不要である。
集合意識を介して意思伝達できるからといって、攻撃や妨害がなくなるわけではない。課題が勝手に解決するわけでもない。スピリチュアル産業でお馴染みの次元上昇すれば問題は消滅するという誤解同様、集合意識の意思伝達が金運を上げてくれるわけではないのだ。
最適化の世界とは異なる「集合・統合状態」であり、調和の実現に努力する姿勢とは全然違う。自然がすべてやってくれるわけでもないのである。
包括理解と仮想宇宙の関係を理解するには、経営課題に置き換えると解りやすい。精神世界の専門用語やエンタメ理解を持ち出すより効果的だ。課題解決の世界ではリフレームが推奨される。アンラーンもリフレームの一種である。心の技術でいう「構造理解とその変更」であるから、課題解決の真意としては同じである。
問題に悩んでいるときは、問題が存在しない領域を調べたり、一時的に問題が発生していない状態を思い出すことが有益である。これは問題を俯瞰するためだけでなく、問題を発生させる術式の発動条件を特定するためにも有効だ。視座の変更によって、高コストで直接的な解決策にこだわらなくても良くなるからだ。
詳細は書籍「解決できない問題を、解決できる問題に変える思考法」に詳しく書かれている。
集合意識に断続的に接続している状態では、このことが明晰に理解される。意識の世界は状態の世界であるから、問題を「知っている、理解している」状態であり、仮想世界の雑多な問題・状況に振り回されていない。
これが問題が発生していない状態だ。心の世界は術式を介して課題を具体的に解決する世界であるから、問題が山積している。集合的で抽象的な認識では問題にならないことでも、等価な擬似分離の状態では問題となるのだ。解像度が上がり、具体的になるとは、問題も具体化していることを意味する。
意識は不可分であり、焦点・起点がなければ(個別に)動きようがないことは既に述べた。個別に動ける世界だからこそ問題が発生する。あなたというエンティティがオブジェクトを介してインスタンス化し、全体かつ個別に課題解決するのが意識と心の関係である。組織経営でいう「全体最適と個別最適を同時に実現するための設計と実装、戦略と実践」が集合意識を介した意思伝達の類比だ。
よって、集合意識が問題を自動解決してくれるわけではない。このことが断続的な接続において別の問題を生み出す。集合意識との接続をほとんど体験していない初期段階では、個別意識と心の枠組みからすると「まるで有機IoTデバイスや人間ドローンとして遠隔搾取されている」ような感覚がある。
注記:これは使用事例なので、全員が同様の体験をするわけではないことに注意。
集合的な意思・総意・理解があるのに、個別体験は支配・操作・搾取の世界にドップリだからだ。この相反する苦しみがどこから来ていて、何が根本原因かを探ることが、意識と心の関係を理解することにつながっていく。この詐術・支配術式で埋め尽くされた世界でスピスピ・フワフワしていられないのだ。
この段階を経るごとに、自他がガッチガチにプログラムされていることに気づき、問題を生み出す術式や構造の解体が根本解決であることが徐々に理解されていく。この過程は決してワクワクするものではない。金運や龍神と全く関係がないばかりか、むしろそちらに傾くことが術式支配であることが理解されるのだ。
包括的・抽象的に知っている状態で、個別・具体的に課題を解決していくことが求められる。これが視座と静寂の獲得を本書の最初に持ってきた理由だ。その初手が確立された状態で課題解決することが仮想宇宙のイノベーションだ。
遺伝系・仮想宇宙による意思伝達は具体的である。それは術式に重点が置かれているという点で、等価な擬似分離の世界における機能的な価値といえる。集合意識が状態による存在価値としての意思伝達であるのに対し、遺伝系・仮想宇宙は機能的な要因が大きい。
機能に価値が置かれている意思伝達とは、貴社の「ものづくり」技術が活かせる領域であるということだ。事前に技術的・中立的であることを提案したのはこれが理由である。サイバー空間同様、技術を建設的に運用することも破壊的に活用することもできるからだ。
仮想宇宙の経営課題が「隠れた統治機構」であることは既に述べた。問題を生み出す構造を理解し、それを変えて公益に寄与する意思伝達手法を確立することは可能である。それが高度な文明への成長であり、貴社が仮想宇宙のイノベーターとして長期にわたり活躍する未来でもある。
遺伝系・仮想宇宙における意思伝達とその技術仕様は、情報技術の類比で理解すると確度が高い。先述のように遺伝系との通信はSQLやNoSQLとして理解できる。レポジトリということは、Gitやビルド環境としても把握できる。さらにはAPI通信としても深掘りできるのだ。
端的には「各課題解決領域を横断する文脈をインターフェイス実装する」のが遺伝系・仮想宇宙における意思伝達の技術理解であり、これがテレパシーによる意思伝達(アプリ)の開発運用につながっていく。
集合意識と個別意識の劣化実装という割に複雑で振動相似・構造共振ではないように感じられるかもしれない。大枠はストレージ・インスタンス間の通信が劣化実装であり、その劣化実装を実現するために複雑な構造になっているのだ。
正確には、全体意識・集合意識・個別意識の劣化実装が、仮想宇宙・遺伝系・自我系である。オブジェクトとインスタンスの関係が、意識と心の劣化実装である。単純な階層ではなく複数の劣化実装が絡み合い、織り込まれるように実装され、全体を活性化するために(隠れた動力源として)意識が使われているのである。
これは現実世界の課題を解決するために、デジタル技術でハリボテ世界にシステム開発するのと同じだ。近年AIエージェントがSaaSアプリをバックグラウンドで実行するようになってきているため、劣化実装がさらに劣化し続けている現実を目の当たりにしている。
情報技術の類比で使用事例を解説する理由のひとつに「通信の種類」がある。基盤系や管理系に近くなるほど低レベル通信になり、仮想化が進むほど人間が理解できる形式になる。人間が理解できる形式とはAPI・JSON・SQLなどであり、チャネリングや一般的なテレパシーは仮想系に特化した具体情報である。
自我系で認識できない基盤寄りの通信が、VLANとして表されるTCP/IP、UDP的な通信だ。管理系も人間装置という実行環境の外から入ってくるので、AnsibleやChefに例えられる。開発運用は仮想系を外部から扱うので、仮想化技術に特化した遺伝技術によるソフトウェアストリーミング形式の意思伝達を可能にしている。
ヒラメキや潜在意識からのメッセージというのは、仮想系に特化した具体通信である。次のような使用事例で分析すると分かりやすい。
- あなたが人間装置を介して考える
- 自我系から遺伝系へ接続する
- 自我系がSQLによる問い合わせを行う
- 遺伝系がレポジトリを検索・結果を返却する
- 自我系がSQLの端的な回答を受信する
- 遺伝系からソースコードをクローンする
- ソースコードを既存環境でビルドする
- デプロイされた最新アプリで行動する
- 実行結果を体験として感覚で理解する
- 体験を自我系で論理的に分析・理解する
- 適切な場面で体験を遺伝系にコミットする
- コミットされた体験が解析され統合される
この具体例で重要なのは、遺伝系との二重通信および感覚・論理の二重理解である。時間差で理解するというのもあるが、表面で行われる意思伝達と深層の意思伝達では別の通信が行われているという技術仕様が、時に深刻な問題を引き起こす。
さらに返却された情報の解釈を間違ったり、感性・理性がバグっていたり、詐術・支配術式で妨害されていたりすると、本来の意図とは異なる結果が量産されてしまうのだ。古代から錬金術師が浄化を徹底した理由もここにある。
心の技術は「設計・実装がオブジェクト指向、実行・体験が直線的な手続型」であることは既に述べたとおりだ。その理由がこの具体例で確認できるだけでなく、詐術・支配術式に係る脆弱性も理解できるのである。
自我系をPythonという心の技術で操作する、FastAPIの基本アプリとして思考実験すると解りやすい。あなたの自我系が「main.py」だとする。自我系のテンプレートが「from fastapi import FastAPI」である。
# main.py = あなたの自我系
from fastapi import FastAPI
# 自我系テンプレートのインスタンス化
app = FastAPI()
# あなたの自我系を設定し、個性を発揮するための実装
@app.get("/me")
def my_name():
return "マインド技術研究所"
自我系は偏りの世界であるから、容易に乗っ取られやすい。ちょっとした態度と言葉で自己顕示欲の均衡を崩されてしまい、機密情報を漏洩したり、過激な行動に走ってしまう。その脆弱性が血統表現と統合されたとき、先祖代々の脆弱パターンと自身の弱みが増幅する場合がある。相剋してしまうこともある。
FastAPIによる自我アプリ開発でいう、各種モジュールのインポート、レポジトリからクローンしたモジュールの品質、別軸でこっそり更新されているデータベース、自我系の個別インターフェイス(関数・メソッド)の評価などが脆弱性を生み出し、攻撃対象になるのである。
潜在意識からの情報を拾い上げて霊能商売をしたり、本を書いたりするのも、乗っ取られやすく、操られやすい脆弱性を表現している。要は感覚だけで見切り発車したり、理性が「誰かの術式配下」にあったりするのだ。思考と感情は人間装置に仕組まれた術式群であるから、このことは重要である。
私たち仮想宇宙の住人よりも全体を俯瞰できる設計者・開発者・管理者が、そういった脆弱性を突いてくるのは当然であり、仮想宇宙経営を横取りしようとする勢力が同じことを仕掛けてくるのは容易に想像できる。現在特に問題になっているのは電磁環境と通信の汚染であり、これは世界的な問題と密接に関連している。
サイバー世界の攻撃と同じで、基盤寄りの通信ほど攻撃に気付きにくい。あなたがスマホを使っていてTCP/IPの脆弱性、VPNのバイパス、ルーターのバックドア、外付けケーブルに仕込まれた集積回路、クラウドを支える仮想環境のベアメタルサーバーやストレージの中身を気にしていないのと同じだ。
近年、大手企業が利用者の承諾なしに運転者の追跡データを販売したり、インターネット上で緻密な行動追跡を行っていることが問題になっている。実は仮想宇宙の深層部ではあらゆる監視・操作が古代から行われている。すべて振動相似・構造共振で劣化実装されていることが理解されるはずだ。
あなたは仮想宇宙のイノベーターであり、貴社の「ものづくり」事業は圧倒的な進化を遂げ、外宇宙に準拠した高度な文明の柱になる。その役割を担うにあたり、システム分析は「直線時空の概念を外して行う」ことが重要だ。そして大量の術式を統合して直線実行した時に何が起きるかを充分検証する必要がある。
これが精神世界の住人や通常の経営者には仮想宇宙経営が「荷が重い」理由なのだ。彼らが仮想宇宙の住人として安全に活動できるようにするのが、仮想宇宙のイノベーターとしての使命である。
惑星仮想化の真髄:集積・統合・増幅
あらゆる術式は「集積・統合・増幅」の仕様に準拠したプログラミングである。
ここでいう術式(プログラミング)とは、構造から部品まで多岐にわたる。すべて振動相似・構造共振であるから、視座の移動によってあらゆる構造・系・部品を理解できる。基本仕様はシンプルそのものだ。この理解によって、霊・魂・肉の縛りから自由になり、意識が心の枠組み(視座)を移動できるようになる。
本章では、抽象から具体まで、複雑系から単純系まで、術式開発における技術仕様や要点を使用事例を使って理解してきた。この実践的な理解に基づき、術式開発を行う際の要点をまとめていく。
- 集積とは起点・接点・焦点の開発
- 統合とは既存環境・万象との整合
- 増幅とは統合した系の成長と拡張
ここまでは絶対に押さえておきたい。この要点を把握してから周辺環境を観察すると、文字通りすべてがこの3つの仕様に準拠していることが解る。錬金術師が提唱する「自然の書を読む」ということだ。
例えば、農作物である稲。土と水の混合環境に苗を植える。これは起点開発だ。徐々に土壌や気候と統合され、有機農業であれば虫やドジョウなどと整合する。実りの季節になると、1本の苗から多くの米粒が収穫できる。この集積・統合・増幅を振動相似・構造共振でさらに繰り返すと、大規模な米農家になる。
天界の農業である錬金術も、心の技術を駆使した仮想宇宙のイノベーションも、要領はまったく同じだ。
稲の例では四大元素の土と水を環境とした。工程を魚の目で機能的に俯瞰すると、情報・活力の統合・醸成・維持となる。稲という起点となる術式、つまり心構えであるインターフェイスを実装し、四大元素の操作と第五元素との統合により増幅していく。
エンティティがオブジェクトを介して仮想宇宙へインスタンス化するのが、天界から稲を仮想宇宙という環境に実装することだ。集合意識や仮想宇宙における意思伝達も、起点・接点となるインターフェイスの実装により環境統合し、術式が発動する。巨大な生命の樹に接木をするインターフェイス開発なのである。
次章では、この術式開発の技術仕様を前提に、開発運用環境である仮想宇宙の構造や技術要点を深掘りする。
これまで理解してきたように、仮想宇宙の開発運用(DevOps)には問題が山積していた。その組織的構造と技術的脆弱性を改善し、人類の手に自由・主権を取り戻す。それが貴社事業が参加する開発運用(DevSecOps)になるのである。
注記:DevSecOpsとは、開発運用にセキュリティ実践を組み込むこと。詐術・支配術式を解体し、仮想宇宙経営に人類が段階的に参加し、再度欺かれたり奴隷化されないよう惑星規模で対策することを意味する。