第1章:経営者や技師が押さえておくべき最重要論点

Mana K が 2025年01月06日 に投稿
2025年01月07日 に更新
文明課題を解決する「ものづくり」事業において、解くべき最重要論点がある。それは、現状維持文明を支えるこの仮想宇宙の技術的な構造である。問題を生み出す構造を理解し、それを変えていくのだ。


なぜ本書があなたにとって有益なのか

本書が有益である理由。それは「あなたと貴社事業を根底から変える技術書」だからである。

こう考えてみてほしい。あなたは魔術師だ。これまで約10年間、この町でそれなりに人の役に立ち、そこそこ有効な術式を発動させてきた。その中には癒しの術式や、水に情報・活力を転写する術式もあったはずだ。

そして今、あなたは行き詰まりを感じている。漠然とした不安に苛まれている。

このままでいいのだろうか。魔術師ギルドの皆がやっていることを自分もやってきた。差別化といえばレベルくらいだ。高価な素材や高額な装置にかかる経費を稼ぐために、もっと頑張らなければならない。

世界と自分を根本から変えるような魔術書には出会ったことがない。

確かに、日々の生活を便利にする術式や、新月に使う浄化の儀式、ちょっとした願望実現のテクニックは知っている。しかし、行き詰まりを根底から解消し、世界の問題を解決する大魔術など、一度も見たことはない。そんな大魔術を行使できる魔術師がいたら、お目にかかりたいものだ。

よくいわれる「根源への到達」など、夢のまた夢ではないか…。

あなたは重要な真実を見逃している。大魔術を行使できる魔術師に自分がなるという選択肢を。大魔術を行使するための魔術書はその選択をした術師にのみ開示されるということを。そして、世界を変える大魔術とは一人で行うものではなく、他の術師と共同で開発・発動させるものであるということを。

これは異世界エンタメ限定の思考実験ではない。会社経営や事業開発とまったく同じだ。術式開発は製品開発や技術開発そのものだ。差別化に悩む横並び現象や、もっと頑張らなければ経費を賄えないという財務的な悩みですら同じである。

違いは「課題解決の規模と技術の種類」だけなのだ。大魔術とは錬金術でいう大いなる作業であり、大規模な社会変革であり、それを行使する術師のことを現代ではイノベーター(開拓者、変革者、革新者)と呼ぶ。

技術で大規模な惑星課題を解決しようとするあなただからこそ、魔術書や錬金術書として伝承されてきた「宇宙の技術書」を手にすることができるのだ。宇宙の技術書であるから、有益であることに疑いはない。

挿絵:宇宙の技術書

経営者や事業責任者として、貴社の「ものづくり」事業をどう進化させていくか。職人や技師として、自分の能力と仕事をどのように公益化していくか。全体最適を考慮した組織の動きをどう設計するか。

これらの問いは、あなたの視座を高くし、私の視野を広げるのに役立つ。他国の政治や経済に振り回されることなく、あなたの事業を展開していく上で有益だ。技術トレンドをひたすら追いかける必要もない。市場に大量に存在する横並び製品を模倣する必要もない。私たちは檻の中を彷徨う奴隷ではないのだから。

無駄な製品の大量生産・大量消費・大量破棄。これは人為的な競争や断片化によって引き起こされている。その意図的に衝突を生み出す分離戦略を破棄することが重要なのである。

他人の戦略に支配される状態を「やめる・捨てる・あきらめる」勇気が必要だ。戦略的な断捨離が有効だ。

あなたの戦略行動は、本当の力を取り戻し、本物の才能を開花させ、本来の広大な意識を目覚めさせる。その新たな状態が、有益な製品を開発し、高度な能力を発揮する上で役立つ。

他人が恣意的に決めたルール、誰かが勝手に敷いたレール、株主や上司に強制されるゴールではなく、あなた自身がこの惑星環境で何をなすべきかという、純粋かつ高度で本質的な問いにあなたを導いてくれる。

問いを立てるのはあなたであり、課題を特定するのもあなた自身だ。他の誰かにそれを丸投げしてはならない。自分の本質や事業の中核を丸投げすることは、他人に生殺与奪の権利を譲渡し、自分の創造責任を放棄し、支配を歓迎する奴隷状態に他ならない。

そのことに気づかせないよう、上下関係や優劣の概念が巧妙にプログラムされている。

無意識や宇宙意識として知られる、私たちが活動するこの仮想宇宙には、このような隷属状態を強いる術式が大量配備されている。気づかないうちに私たちはその術式に支配されてしまっているのだ。

これからあなたと私は、この巧妙なプログラムを特定し、解体し、自作プログラムで置き換えていくための準備をする。呪われていた心を解き放ち、自分たちで思考様式・行動規範を組み上げていくのだ。

この最大級のレバレッジ開発こそ、術式開発による文明創造という「ものづくり」事業なのである。

最大級のレバレッジということは、森羅万象すべてに通用する宇宙の技術である。それが魔術の本質であり、錬金術の秘密であり、これから共に学ぶ「心の技術」の正体だ。

魔術や錬金術として部分的に伝承されてきた技術が心の技術の一端であり、心の技術こそ「高度な地球外文明がこの仮想宇宙を設計し、惑星環境に展開した技術」なのである。

私たちが活動する仮想宇宙と文明を刷新できるのもこの宇宙技術であり、森羅万象すべてに通じる心の技術である。それが本書があなたにとって有益である理由だ。


最重要論点は仮想宇宙の構造理解と刷新

あらゆる課題解決において、最重要論点は「問題を生み出す構造の理解とその変更」である。

これは遺伝情報からあなたのスマホにインストールされたアプリまで、すべてそうである。遺伝情報や環境設定という構造が機能不全を引き起こすかもしれない。無料のVPNアプリをインストールしたせいで、個人情報が第三者に売られ、あなたのスマホがボットネット化し、特定サイトの攻撃に使われるかもしれない。

情報・活力の構造と流れが時に問題を量産し、時に公益を提供し続ける装置となるのだ。

かつて筆者はこう考えていた。世界を変えることは非常に難しい。最も有効な方法は、別の世界を隣に創って移行することだと。それが極限まで苦しみや悲しみに向かうと自死の試みとなる。戦略的かつ建設的に解決しようとする時、それは新文明をスクラッチ開発するという「創造思考(クリエイティブ思考)」になる。

現状から逃げようとするのか、現状とはまったく異なる世界を創造するかの違いである。

この自死と自作を二極のモノサシ(条件を評価する単一の関数)に当てはめた時、それはどちらも「同じ課題の解決策」を別の切り口から検討していることが判る。このような気づきこそ、かつてヘルメス文書が極性の原理として解いた内容を体験から理解していることの証拠だ。

注記:ヘルメス文書では、極性の原理は同じものの程度であると説く。

現状回避という解決策が生み出した世界が幽界である。幽界は仮想宇宙の内部にある。異なる世界の創造という解決策に含まれるのが、この監獄次元を開いて橋をかけることだ。これらは同じものの程度などではなく、まったく異なる変数を別の関数で評価していることにお気づきになるはずだ。

挿絵:宇宙の秘密を調べる

ここに宇宙の秘密が隠されている。原理は二極モノサシではなく、測る対象にあるのだ。

この秘密が仮想宇宙の構造を理解し、機能不全を起こす術式を解体し、公益に寄与する術式を開発していくための基本的な視座である。これまでの私たちは真逆に考え、順序を間違え、森羅万象を理解したつもりになっていた。このモノサシ主導の生き方が「ガッチガチにプログラムされている」状態である。

二極の縛りは、この仮想宇宙のあらゆるところに配備されている。これは術式を扱う時の要点だ。

現界も死後の世界も仮想宇宙という監獄世界の限定領域でしかないことを知った時、課題解決を二極化する必要などないことに気づく。多面性・多次元性の理解だ。同時に問題を量産する仕組みと技術について可能な限り理解しておく必要性も視えてくる。

これまでの原理は、これからの変更対象である。これからの原理は、真の世界の理である。

ここで疑問に思うかもしれない。二極に縛られた世界をすべて解体せねばならないのかと。二極の縛りから自由になった宇宙が想像できないかもしれない。特に問題はない。まず、二極の細かい術式をひとつずつ拾い上げて解体するわけではない。次に、二極を内包する異なる視座からレバレッジを効かすのが戦略だ。

縛りから自由になるとは、縛りを俯瞰できる状態、自分がプログラムされていることに気づける状態である。ある種のメタ意識だ。その視座を獲得してから戦略的にレバレッジを効かすのと、手探りで縛りの世界を彷徨うのとでは天地の差があることはいうまでもない。

あなたは惑星の深刻な問題を技術的に解決するイノベーターとして本書を活用している。ということは、あなたは自分がプログラムされ、他者が同じようにプログラムされていることに気づき、それを感情ではなく技術で解決していくからこそ、歴史に名を残すような異結合を実現できるのではないだろうか。

これほどの大事業の一端を、貴社事業が担うのである。

経営者・事業責任者、職人・技師が押さえておくべき最重要論点は構造理解であり、その刷新である。そしてそれは新しい原理と異次元の視座により成されるものであり、森羅万象に通じる技術によって根底からレバレッジをかけるという点で、戦略的なのである。


技術概要・仕様を理解するための用語集

新しい技術を習得する時に最も効果的なのは「実用最小限の知識と理論で体験する」ことである。

前提知識を入れたら、まずは自分の感覚でやってみる。その振り返りを理性的に行い、洞察を得てから次に進むのだ。体験が先、理論が後である。エフォートレス思考の本質だ。技術で社会課題を解決しようとする新興企業(スタートアップ)であれば、試作品による内部検証やアルファ版の一般公開がまさにそれである。

この点でビスマルクがいったとされる「愚者と賢者の二極化」は廃棄すべきモノサシ(メンタルモデル)だ。

最近の新規事業を見ていると、卓上調査や専門家への聞き取りで市場を俯瞰して理解した気になり、他者と横並びの企画を戦略としている。それでは社会・文明・仮想宇宙のイノベーションは絶対にできない。前例がない、データがないとわかった時こそ、袖を捲り上げて喜ぶ状況だと筆者は感じる。

この項では実用最小限に体験できるよう、技術概要や仕様に先立ち、用語・定義を紹介したい。

本章を読むだけで実験を開始できるよう、最重要論点に実用最小限の概念を添付した。本章各所に覚醒の暗号も散りばめておいたので、あなたの意識はこれまでの経験と新しい技術を実験によって統合できるはずだ。

挿絵:新しい宇宙技術

意識(個別意識、集合意識)

あなたや私の本尊。原初かつ根本であり原因。表現形態を問わず、活動拠点・拠所となる構造を実装している状態を個別意識という。一定規模の全体意識としてシステム創発性を発揮している状態を集合意識という。

個別意識は文字通り分離しているわけではなく、強いていえば複雑に絡み合った大宇宙の幾何学的な特異点のこと。特異点は全体と分離しているわけではないため、意識は不可分。分離の感覚は視座と実装によるもの。

情報技術の類比では、ノードが個別意識、ネットワークが集合意識。スマホが表現形態としての活動拠点を実装した個別意識であり、クラウド統合が集合意識。

心・心の技術

英語でいうマインド。心という文字の形(機能 = 形態)に現れているように、仮想宇宙における仕様は陰陽二元ではなく三元。不可分な意識が個別化を実現するための素材・枠組であり、分析・分割を担当。

心の部品を開発し、一定規模で統合すると心の系となる。心の部品が心構えに発展する。英語でいうマインドモジュールのマインドセット化。端的な関数が評価基準であるモノサシであり、メンタルモデル。

意識が心を介して表現・体験するのが創造行為。心の技術とは、情報・活力の構造・流れ・密度・階調・解像度を操作すること。事象操作であり、万象を加工・制御する工学技術という点で、すべてに通じる技術。

術式開発(プログラム)

端的には心の部品および系の開発。遺伝技術も術式開発。最も単純なモノサシ「こうすれば、こうなる」という「do X then get Y」が単純な心の部品。心が万象である以上、部品開発と系の統合が術式開発である。

遺伝技術や種族の創造でいう、星の情報・活力を集めるための皮膜開発が部品開発。集めた情報・活力を自我の一部を強化するために使い始めると、術式が系としてテンプレート化・ネットワーク化(複雑化)する。

術式開発の基本仕様として伝承されてきたのが、四大元素や第五元素。直線時空の縛りを受けない集積・統合・増幅であり、情報技術でいうオブジェクト指向が術式開発における基本的な設計思想。

惑星仮想化技術(テラフォーミング技術)

生命活動に適した環境を整えること。惑星上で自由に表現し、文明を構築・発展させるための種と土壌を用意する高度な技術。既存環境に人為的かつ有機的な開発を行うことから、仮想化技術と定義される。

情報技術でいう、ベアメタル環境に仮想ホストと仮想マシンを導入する技術。ベアメタル環境に遺伝情報や人間装置のテンプレートなどを導入・起動するのがストレージ技術。基本は閉じない結界宇宙。

仮想化された惑星文明を仮想宇宙という。地上人類が活動するのは仮想宇宙。大宇宙もしくは外宇宙と呼ばれる既存宇宙の内部に個別化された仮想世界が構築された状態。仮想宇宙を多重仮想化(多次元化)することも可能。

体験可能な外宇宙

地上人類が活動するのは惑星仮想化により開発された仮想宇宙であり、その仮想宇宙を内包しているのが体験可能な外宇宙。体験可能というのは、集合意識および個別意識として活動可能な宇宙であるため。

古事記やウエツフミに書かれている宇宙創造や天地開闢は、体験可能な外宇宙で活動する高度な文明が、この惑星に仮想宇宙を創造したことを伝承している。それを地上人類は宇宙創生として理解してきた。

情報技術的にいうと、体験可能な外宇宙との標準接続がインターネット回線。仮想宇宙内部でしか通信できないのがイントラネット。外宇宙との標準接続状態が本来的な惑星文明の姿である。

仮想宇宙(光の立体宇宙、仮想現実、仮想文明)

無意識、普遍意識、宇宙意識として知られる、存在たちが人柱として中核から展開する精心世界。意識が心を介して有機的に創造するという原理に基づいて開発運用されている局所宇宙。

情報・活力(音・振動)を惑星仮想化技術によって翻訳・変換・解釈し、立体世界を実現。主に人間系で集積・統合・増幅することで所謂ホログラム世界を体験できるようになっている。

情報技術的にいうと、ネットワーク経由で送受信する情報を機械が演算するのに似ている。機械を介してHTMLやCSSがブラウザ上でビジュアル化されるのと基本的な要領は同じ。

文明基盤(思考様式・行動規範)

仮想宇宙を体験するための基盤。仮想宇宙における実行環境が人間系であり、人間系の基本的な制御を行うプラットフォーム。集合的な思考と行動を司るため、思考様式・行動規範が文明の基盤である。

課題解決の領域としては、仮想宇宙と人間系の両方に係る。ある具象を太陽や月として集合的に解釈(コンパイル)できるのは、仮想宇宙と人間系の相互作用によるもの。他文明が同じ解釈をしているとは限らない。

仮想宇宙があらゆる情報・活力の集合体であり、実行環境に必要なものを取込・解釈するのが人間系。仮想宇宙は無意識ではなく、人間系から見て意識がないように感じられるだけである。

人間系(自我系、遺伝系、幻想系、心の檻)

仮想宇宙に立脚した文明創造を行うための実行環境。主に4つの課題解決領域で構成されている。自我系は顕在意識として知られるが、意識ではなく心の系。遺伝系は潜在意識として知られるが、これも心の系である。

自我系は個別意識の人格を形成する。実装の要領は、共通の雛形に偏りをつける。スマホでいうシステム環境設定(の偏り)がその時点での人格を表現する。遺伝系はネットワーク接続した術式の貯蔵庫。

幻想系は良くも悪くも「なんでも成立させてしまう」超仮想世界。55次元、88次元などというのは、この系にある幻想。心の檻は幻想系や他系から派生した術式・理屈。固定観念や常識は心の檻。

人間装置(具現化、具象化)

仮想宇宙のイノベーション・文明刷新において、最も考慮されるのが人間装置という実行環境におけるインターフェイス。多様な情報・活力の構造・流れ・密度・階調・解像度の制御によって成立している。

あなたの本尊である意識が魂という事象を通して仮想宇宙に具現化するための装置。高度な文明が非常に長い時間をかけて試行錯誤しながら組み上げてきた。ゆえに自然進化のみでは成立せず、進化と創造の成果物。

基本的に惑星仮想化技術と仮想宇宙に依拠しているため、普遍的な装置ではない。これは文明基盤による事象・具象の集合的解釈と同じ。惑星に特化した設定は、複数の課題解決領域に仕組まれる。

挿絵:人間装置

本項では、実用最小限の用語のみ解説した。この基本概念を押さえた上で森羅万象を見ることを「自然の書を読む」と錬金術では表現する。あなた自身の現状から実験を始め、意識と心の相互作用による体験から理解し、既存事業に当てはめることで、あなたの深い洞察を引き出すことが可能になるのだ。


資料:仮想宇宙と文明課題を解決するための基本地図

図の左側が意識と心の関係、右側が外宇宙と仮想宇宙の依存関係を表す。点線で描かれた領域は用語集に含まれないが、仮想宇宙のイノベーションと文明刷新における重要な課題解決領域。

資料:意識と心、外宇宙と仮想宇宙の関係性と構造