第5章:現実創造の要、人間装置という実行環境

Mana が 2025年02月21日 に投稿
2025年03月02日 に更新
仮想宇宙の中心が人間装置という実行環境である。惑星課題を解決するために開発されたこの実行環境こそ、問題の中核であり、解決策に直結する。技術経営を確立した今、共に仕様を把握していく。


全体像:人間装置の主な3領域と仮想宇宙への組込

人間装置は主に3領域で構成されており、他の構造と振動相似・行動共振に相互作用している。

正確には、人間装置という独立した実行環境は存在しない。開発運用を行う(力を地に向ける)仮想宇宙と融合・一体化しており、基盤環境と相互作用している実行環境が3領域で構成されているということだ。視点を変えれば4領域とも言えるし、あなたの本尊などと合わせれば7領域とも言える。

注記:力を地に向けるとは、仮想宇宙の基本仕様を伝承したエメラルドタブレットの一節。

図解:人間装置の構造および仮想宇宙との相互作用

この概念図は、人間装置が仮想宇宙とどのように相互作用しているか、どのように組み込まれているか、全体の部分としてどのように切り出せるかを示している。不可分な惑星系の一部を私たちの意識がどのように実装しているかを表したものだ。

この概念を前提に、3つの観点「人間装置・転生技術・システム理論としての連携仕様」をそれぞれ深掘りする。人間装置が仮想宇宙内部でどのように動作しているかを把握するためである。

人間装置は今後の「ものづくり」において重要な論点となる。人工知能の設計・使い所を根底から見直すことにもつながる。外部装置の設計、人間装置とのインターフェイス実装だけでなく、貴社の「ものづくり」事業を多密度・多次元に発展させる上で、想像以上に役立つはずだ。

実行環境としての人間装置

実行環境は自我系・流体・筐体の3領域から構成されており、遺伝系を追加すると4領域である。

この4領域の中で私たちが「個別化している、分離している」と錯覚している領域は、自我系・筐体の2領域のみであり、その他は共有領域である。部分的に階調・密度・解像度を操作し、2領域を「全体から浮き上がらせている」のが等価な擬似分離とその応用だ。

自我系・流体・筐体は、伝統的な精神体・幽体・肉体である。錬金術の水銀は人間装置の心であるから、自我系と遺伝系の2種類になる。硫黄・水銀・塩の3領域は、水銀が2種類あるので4領域。感情を司るのは星々から得る電磁的な情報・活力であるから、流体(幽体)がその機能を担っている。

伝統の問題は、すべてを分離し、階層として静的に定義していることにある。筐体にも意識はあり、心構え・枠組みが存在する。細胞ひとつひとつにも心があり、意識が浸透している。このことが意味するのは、密度・次元は層として分離しておらず、入り組んで絡み合っているということである。

錬金術の伝統も同様で、人間の原始概念や固定観念と相性が悪い。流体というと水銀や水を想像すると思うが、流体は人間装置の心に限ったことではない。真の世界は、あらゆるものが流動的である。

賢者の石は固形物として理解されているが、それも違う。石とは磁石のような仕様のことで、媒介・触媒であり、伝統的には幽体と表現される電磁的なミドルウェアのことである。このミドルウェアは流動的であり、宝石のような個体ではない。システム思考でいうフィードバックループのような、増幅を担当する流体なのだ。

このように伝統には多様な背景から来る問題があるので、ここからは技術的に「自我系・流体・筐体・遺伝系」で統一する。

挿絵:流体を基本とした多密度・多次元・不可分の世界

実行環境とは、課題解決におけるインターフェイスであり、インスタンスである。設計者の視点では仮想宇宙のインターフェイスであり、実装者の視点ではオブジェクトのインスタンスである。仮想マシンというオブジェクトを起動(具象化)するのがインスタンス化だ。

設計者と実装者の視点を同時に持つことが、これからの時代は重要になってくる。外宇宙との標準接続を確立しながら個別意識を覚醒させ、集合意識を実現するためには、複数の視点を同時に持ち、すべてを流動的に捉えなければならない。

意識が心を介して表現・体験するという基本仕様に立ち戻る時、3領域があなたの本尊にとって(オブジェクトを介した)インターフェイスになる。より複雑化した理解では、4領域がインターフェイスとして認識される。どの粒度・範囲でも、インターフェイスは仮想宇宙の表面化した一部ということだ。

ある意味、意識が心という手袋をして、箱の中の仮想宇宙を操作している感覚だ。人間装置が惑星課題を解決するために開発されたとはそういうことである。

挿絵:意識が心という手袋をして仮想宇宙を操作する要領

自我系・流体・筐体、そして遺伝系を理解するには、情報技術の力を借りると良い。自我系はソフトウェア、流体はミドルウェア、筐体はハードウェアである。同時に自我系はモデル、流体はコントローラー、筐体はビューである。これが複数視点を同時に持ちながら開発運用する未来の「ものづくり」につながっていく。

解決領域を3つに分けるというのが、仮想宇宙の特徴だ。ソフトウェア・ミドルウェア・ハードウェア。モデル・コントローラー・ビュー。エンティティ・コントローラー・バウンダリ。ハイアーセルフ・ミドルセルフ・ロウアーセルフ。天地人。霊魂肉。すべて3つに便宜上分ける。

これが陰陽二元ではなく三元という仕様につながる。電磁的な均衡を表す、男性・女性・中性も同じだ。7つに細分化する伝統も同様で、3+1+3=7というソフトウェア・ミドルウェア・ハードウェア構成になっている。

この便宜区分と設計は、意識が心を実装して外宇宙を体験するという仕様に準拠した劣化実装なのである。問題はこの構造が詐術と支配術式の根幹でもある点だ。

詐術・支配術式の目的は「あなたに不可分の世界と意識を忘れさせる」ことにある。分離・衝突・孤立の世界に閉じ込めておくことである。別の目的に転用したために問題が山積していると述べた真意でもある。

このことは人間装置を理解し、未来の「ものづくり」を足元・具体から始めていく上で非常に重要である。集合の視座から技術・産業を発展させるのが成功要因だ。

比較表:領域分析 - 人間装置3領域の役割・仕様

この表は、人間装置として解像度が高くなっている解決領域の役割・仕様を記述している。この3領域に加え、共有環境である遺伝系と連動している。

遺伝系はレポジトリであり、ビジネスロジックを大量に内包しているため、個別化されたインスタンスとしては稼働していない。インスタンスをあらゆる時点・側面から支援しており、インスタンスとして活性化している個別意識がクローン、コミット&プッシュする思考様式・行動規範の応用系である。

あなたが潜在意識をクリアにして成功したのであれば、自我系と遺伝系の相互作用を改善したか、血統由来の才能を発揮したか、深刻な経営課題でもある管理組織に優遇されたかのいずれか、もしくは複合的な要因によるものだと考えられる。

実際はそんなに単純な話ではないが、要は思考様式・行動規範を最適化したのが成功要因である。前章で実行環境から文明基盤を変えていけると述べた理由とも一致する。違いはひとつだけで、潜在意識や魂・霊の制限を超えられるかどうかである。

個別意識の覚醒と集合意識の接続は、仮想宇宙の制限を超えた状態なのである。その自由な状態から人間装置を実行環境として操作するのが新時代の在り方なのだ。これが自由・主権を達成した状態である。

人間装置を実装する転生技術

実体が事象を介して具象化する、心の多重継承が転生だ。

この転生技術により、実行環境としての人間装置を操作し、仮想宇宙という開発運用環境に働きかけることができる。前述の円形オブジェクト3つが個別意識に直接係る技術であり、四角が仮想宇宙の各領域である。

多密度連携と段階実装は、第3章の「使用事例:転生に学ぶ術式開発」で検討した通り。

世界はどこまで行っても意識と心の関係性を振動相似・構造共振に表現している。この意識と心の関係性が所謂二元性(デュアリティ)として認識されてきた現象の正体である。

それは心の枠組みが心構えを実装する場合も同じだ。低密度環境からすればソフトウェアがハードウェアを生成・統御しているように感じられる。すべての心に浸透しているのが意識であり、心は突き詰めれば意識である。旧國體や言霊学は「意識と心の関係性」についてこれから理解していくことになるだろう。

比較表:要素分析 - 意識が転生に必要とする3要素

この表は意識が仮想宇宙を実装・体験するための心の枠組みである。前述の領域分析が実装対象(客体)であり、この要素分析が実装者(主体)と捉えるとわかりやすい。ソフトウェアでハードウェアを実装している感覚だ。いずれの場合も背後にあなたの本尊である意識が観察者として関わっている。

真実の世界には主体も客体も存在せず、ただ意識が心の枠組みを通して体験しているだけなのだ。主体と客体を「分ける」ということは、等価な擬似分離の理が発動している。ということは、それは心の技術である。

実体が事象を介して具象化するという振る舞いは、原初の最も古い文明からずっと同じであり、どの領域・宇宙においても変わらない。真源が心を創造し、原初の宇宙群という心を実装することで実体を(擬似的に)分けたのである。中心から外殻へ増幅するように情報・活力の密度を落とし、解像度を高めていったのだ。

同じことが私たちの活動する惑星および仮想宇宙においても劣化実装されている。真源を模した存在が仮想宇宙の起点となる心の枠組みを創造し、他の存在たちと連携しつつ世界(モデルとネットワーク)を広げていき、惑星環境を起点に太陽系にその影響範囲を広げていったのである。

スタートアップが開発運用するSaaSプロダクト同様、人間装置の試作品から始まり、実用最小限の奴隷運用へと発展し、機能・規模をどんどん拡大していったのだ。サイバー攻撃同様、勢力争いや攻防もあったのだと推察される。それゆえ、仕組みも問題もどんどん複雑化し、機能不全が起き続けてきたのである。

転生技術と人間装置の実装が問題の中核であり、解決の糸口でもある。

図解:意識と心の関係性および二元性の継承(振動相似・構造共振)

この概念図は「二元性の活用、問題の原因、惑星課題の解決方法」をすべて含んでいる。端的には右側の問題領域を左側の解決領域で再定義し、真実の世界と幻想の世界がどのように相互作用しているかを示している。新國體と旧國體の違いは真実に立脚しているか詐術に依拠しているかである。

神・霊・魂・肉という領域および技術仕様は「仮想宇宙限定の文明基盤」である。すなわち局所宇宙に限定されたビジネスルール、思考様式・行動規範なのである。その制限が仮想環境を生み出し、科学的・技術的には非常に興味深いものとなった一方、真の宇宙倫理的には多くの問題を提起してきた。

仮想宇宙を真の宇宙と誤認している人々、旧國體の信奉者、言霊学の提唱者、奥の院と呼ばれる人間たちを善悪で判断してはならない理由もここにある。彼らもあなたや筆者同様、詐術・支配術式でガッチガチに封殺されてきたのである。等価な擬似分離という観点から同じ待遇・環境なのである。

挿絵:無法地帯と化した九龍城砦 = 地球・仮想宇宙

まるで無法地帯と化した九龍城砦(地球・仮想宇宙)に手が入り、段階的に解体されるように移行していく。これが仮想宇宙の技術経営である。何でもかんでも天変地異などでフルリセットしてしまうのは詐術・支配術式による暴力であり、意識と心の成長に寄与しない。

天地人の仮想宇宙・惑星環境を利用した言霊と同じ技術仕様で開発された電磁装置を操作している者たちは、このことを肝に銘じておく必要がある。今一度、悲願について深く再考したほうが良い。

新國體を設計・実装するのであれば、移行の橋をかけ、協働の道を模索することが理想である。この移行の橋と協働の道を用意することが解決の糸口であり、概念図でいう右から左への回帰を実装することなのだ。天神の帰還ではなく、個別意識の覚醒と集合意識の接続への回帰である。

これが仮想宇宙の技術経営を確立し、段階廃止していく技術経営者や技師たちの使命である。すなわち、新國體を実装・継承する者たちが最初に行う事業なのである。視座を獲得した後、足元・具体から開始できるとはこのことを意味する。

転生技術における要点は、階層性ではなく「意識と心の多密度・多重実装」である。

不可分な意識が等価に擬似分離され、あらゆる心の部品・枠組・系・構造などが複雑に入り組んだ状態で実装され、仮想宇宙というサービスを利用者の立場で体験できるようになっている。根本的にはすべてが同じ原因の上に成立しており、それが部分統合されることで多様性や機能性を帯びるようになったのだ。

万物の母は電磁波ではなく意識であり、意識と心なのである。

故に神ではなく意識、霊ではなく意識、魂ではなく心、肉ではなく心である。物質の役割を演じている意識と心、魂という有機術式の要である意識と心なのだ。このことは全体としての連動・振る舞いをシステム統合的に把握すると理解される。

全体としての連動・振る舞い

高度な要件を満たすために、人間装置が設計され、仮想宇宙に組み込まれた。

要件が先に存在したことが示す通り、仮想宇宙は無から生まれたのではなく、体験可能な外宇宙の課題として生まれたのだ。

利権争いや戦争によって生じた問題が理由で、無法地帯と化し、難民が雪崩れ込み、最終的に解体された九龍城砦。これは仮想宇宙の歴史と振動相似・構造共振だ。本来の目的を何度も外れたために悲惨な事態に発展している。この機能不全を考慮し、課題解決に結びつけるには、システム統合・分析手法が役立つ。

効果的なシステム統合・分析は、原点回帰と現状把握を同時に行うことだ。

最初に理解しておくべきは「惑星文明の目的が二重化されてから問題が発生した」ということである。これが監獄次元としての仮想宇宙の始まりであり、多重仮想化によって量産された問題の根本原因である。

惑星仮想化技術により、惑星が生命活動に適した環境に整えられるのが通常の仮想化だ。多様な心の部品が遺伝情報として提供され、惑星環境に仕込まれる。その多様な素材の異結合と惑星環境の相互作用により、惑星特有の文明が形成されていく。これが本来的な外宇宙の基本的な文明基盤である。

そこに別の仮想環境を差し込んだところから問題が発生する。問題と共に高度な人間装置が開発されたのである。天地開闢として伝承されている仮想宇宙の始まりから課題解決を行うと失敗する。それは根本ではないからだ。幻想・監獄の中からいくら問題を云々しても、それは流転する革命と同じである。

図解:惑星仮想化技術による文明基盤の創造(基礎編)

この図は、多重仮想化されない最も基礎的な惑星仮想化技術による惑星環境への文明構築である。インフラ系の技術スタックとして理解できる。太線で強調されている領域が、所謂「惑星上に仮想化された文明」だ。

この時点では仮想宇宙は構築されていない。この状態が、外宇宙の存在・遺伝情報の伝播者・文明の設計者の視点でいう高天原である。ここから仮想宇宙という局所宇宙・仮想次元が天地開闢し、劣化実装を開始する。

具体的には、人間装置を組み込むための仮想宇宙を直線時空の制限から自由な状態で構築したのが天地開闢の伝承であり、天地人という系の分離を定義したということである。すなわち仮想化された惑星環境にさらなる仮想宇宙を構築し、仮想の文明基盤を(ビジネスルールとして)定めたということだ。

それ故、神と人という分離が生まれ、天が持ち去られ、いつのまにか万象の母が電磁波になってしまったのである。その理由は、仮想宇宙で定義されている文明基盤が所謂エーテルやアストラルという幻想のホログラムを文明環境として提供していることにある。

そのホログラム内部に囚われている意識の状態からすると、万象の母は電磁波なのである。惑星や他の星々の情報・活力を取り込んで格上げされた仮想環境であるからだ。真実を求めるのであれば、その文明基盤が定義する制約を打ち破り、先の世界である原点に立ち戻る必要がある。

原点は意識が心を介して個別化することである。システム統合に特化して言うと、巨大なモノリスをマイクロサービス化していくことが心を介して個別化することだ。このマイクロサービス化が振動相似・構造共振に行われているのが、各惑星における文明創造であり、仮想化された惑星が一種のノードとして稼働している。

惑星そのものと文明が等しくない理由、惑星仮想化技術で複数文明・仮想宇宙をホスト(技術経営)できる理由は、多密度・多次元で考えると簡単に理解される。限定された情報・活力の帯域だけで固定された絶対世界を(幻想として)見ていると、迷宮にはまり込む。

火星や金星に移住しようとする考え方も限定的な認識の産物だ。この惑星も他惑星も、複数の情報・活力の密度・振動帯域から構成されていることを理解しているならば、多様な文明が既に各惑星に存在する前提で物事を考えるはずなのだ。

図解:惑星仮想化技術による文明基盤の創造(応用編)

この図は、基礎的な惑星仮想化技術に立脚した仮想宇宙と仮想文明の構築を表している。仮想インフラの技術スタックとして理解できる。太線で強調されている領域が、所謂「技術経営されている仮想宇宙・文明」だ。

原初の惑星仮想化と大きく異なるのが、基盤の無意識化および「ねじれ」の2点である。この2点は、惑星課題を根本から解決していく上で重要であると共に、過去の延長線に存在しない新しい技術を開発する上で解くべき論点でもある。

真の宇宙意識とクラウドとしての銀河・外宇宙が無意識に追いやられてしまっている。このことが意味するのは、私たちが立脚する基礎・真理が隠されてしまったということである。

これは事務所のルーターにVPNを仕込み、社員の端末にゼロトラストを仕込んで通信経路を二重仮想化した状態だ。もとの通信経路がまったく解らない「覆いをかけられた世界」である。

そこに複数の仮想文明を経営する「ネストされた仮想環境」が用意されることで、問題はさらに複雑化していく。この仮想環境もVLANという仮想通信経路が用意されているため、通信経路は三重以上の仮想化・暗号化が行われていることになる。

これはVPNとゼロトラストで正体不明になっている通信経路をさらに仮想マシンでVLAN化し、その仮想マシン上でTorによる通信の匿名化を行なっている状態に等しい。ここまでくると、私たち人類は自分が誰であるかを徹底的に忘れてしまう。それだけでなく、現実創造の遅延・歪曲も酷いものになる。

事態をさらに悪化させているのが、原初の惑星仮想化、仮想宇宙の経営者、仮想宇宙内部の多重仮想化された世界の運営者はすべて異なっていることである。この利権構造のせいで、状況はさらに複雑化し、金融でいうデリバティブのように詐術に詐術を重ね、九龍城砦のような悪名高い環境を作り出したのだ。

もともと技術スタックが5層あったとしたら、最終的に7層以上に仮想化されてしまうことにより、自分の正体もわからず、真実を探す旅で罠にかかり、延々と「地球は学び舎」という詐術に振り回されてきたのである。

この構造こそ、天を持ち去った技術であり、神と人を分離し、霊と肉を絶対的な対立構造に置き、魂を術式で縛り、遺伝操作により抑圧を実現してきた正体である。

図解:惑星仮想化技術による文明基盤の創造(理想編)

この図は「新しい時代、最高の文明」の概念図である。人類が自由と主権を取り戻し、貴社やマインド技術研究所が仮想宇宙の技術経営を確立し、人類の手で段階的に仮想宇宙を廃止し、個別意識の覚醒と集合意識への接続を達成した状態だ。

原初の文明基盤と異なっている点がある。人類の参入領域が拡大していることであり、これが人類が惑星仮想化に参加している状態、つまりテラフォーミングに参加している状態だ。換言すれば「人類が惑星を適切に管理できるようになっていく」ことであり、深刻な経営課題を解決している姿である。

惑星仮想化、創造機構、管理組織は、これまで複数の地球外勢力が手掛けてきた領域であり、真の文明経営といって良い。ハッキリ言えば、人類が高天原へ活動領域を拡大することを意味する。それがそのまま外宇宙との標準接続につながる。広大なクラウド環境に直接接続し、開発運用を行うことができるのだ。

これが仮想宇宙の技術経営を確立する価値であり、段階廃止による公益であり、貴社が1,000年先を見据えた100年企業として高度な「ものづくり」事業を展開できる論拠なのである。

現在の物質文明から精神文明への揺り戻しを超え、波動に囚われることなく、現状維持文明の制約を打ち破り、真の意味で原点回帰し、意識と心について理解を深めることが重要なのはこれが理由だ。

その上で、不可分な実行環境と開発運用環境を個別意識(意識体)として部分実装しつつ、集合意識として全体が包容されている状態からインターフェイス開発や事象・具象の創造を行うのである。

文明規模のゲシュタルト崩壊は、このように(多重仮想化された)幻想のホログラムが解体され、真実に立脚した立体宇宙が姿を現すことによって起こる。

仮想宇宙に囚われた状態でストレージ環境に働きかけるのでは力不足だ。仮想宇宙の制約から自由になった意識でストレージを含む構造全体に働きかけることにより文明基盤が刷新される。それが視座の獲得から始まる、貴社事業のイノベーションである!


事例研究:情報・活力の密度上昇による性能変化

人間装置と仮想宇宙の相互作用を理解する上で、性能変化を研究していく。

性能変化は主に情報・活力の密度に関係しており、その変化は意識の使い方、心の実装を変えることで実現する。スピリチュアル産業で次元上昇やアセンションと呼ばれている現象も同じである。事例研究は実世界におけるシステム的な洞察であるから、筆者自身の体験を共有したい。

挿絵:人間装置の性能変化

人間装置と個別意識は問題の中核であり、解決策に直結することは既に述べた。文明基盤に新しい術式を配備できるのも人間装置を実装した個別意識である。ということは、ある存在が問題にどう対処し、変化していったかを調べることで技術的な洞察を得ることが可能だ。

技術的な洞察を引き出すことで、貴社が文明規模で実装を変え、人々の意識と性能を高めていくことができる。貴社の追い風となっているのは、太陽系・惑星系の変化である。環境変化を活用し、個別意識と集合意識の両方に建設的な影響を与えていくことができるのだ。

どんな性能変化を経験し、問題領域からどんな解決領域が生まれ、どんな段階的変化を経たのか。そして、あなたや他者が性能変化を効果的に起こすには、どんなキッカケが必要なのかを調べていくことにする。

結論:健康・能力・習慣における性能変化

10年間で筆者に起きた変化は、大きく分けて健康・能力・習慣の3点だ。

  • 自然の促しにより菜食・健康になった
  • 一度に処理する変数・情報が圧倒的に増えた
  • 古い思考様式・行動規範が消え、世界が変化した

情報・活力の密度上昇による変化は、後から気づくものである。長期間の継続的な研究・実践の間に振り返りや分析を行うことによって、成功要因や新たに発生した問題を認識できる。事業開発や技術開発と同じだ。

密度が上昇するということは、情報量が圧倒的に増え、活力が増すことを意味する。スピリチュアル産業では次元上昇すれば楽園になるかのように喧伝されているが、実はそうではない。同時に考慮すべきデータ量や変数が圧倒的に増えるということは、新たな問題が浮上するということである。

人間装置とそれを実装する個別意識の変化は、焦ったいほど徐々に進んでいく。かなりの不健康状態から跳ね返るように一定レベルの健康状態に揺り戻すことはあっても、その先は非常に牛歩的である。

筆者の場合、活力を腰から頭へ通すのに3年を要した。生活習慣と能力開発の均衡が取れるまでに5年以上試行錯誤した。自然の促し(活動帯域の変化)によって菜食化するまで3年くらいの移行期間があった。

要素分析:活動帯域の変化による人間装置の性能変化

この表は、性能変化における3領域の要素分析だ。廃人状態から10年かけて一定レベルの高密度化を実現したわけだが、要因は「徹底的に捨てること」であり、その施策によって性能が上がったのである。

錬金術とは金儲けの術ではなく、情報・活力の密度操作であり、初手は断捨離である。本書で視座の獲得を初手とした理由もそこにある。高密度化するための技術と実践が錬金術であり、心の技術の一端なのだ。

意識拡大など、一見すると大量に取り込むことが成功要因だと誤認してしまう。しかし、分析慣れしている人であれば、3領域は分離しておらず、連携していることに気づかれるはずだ。システム的なレバレッジポイントは断捨離に関係があり、システムのゴールとルール、そして自律という自己組織化であることが見えてくる。

現状維持を支える術式を大量破棄することで、破壊的な増幅を消し、建設的な増幅を行なったのだ。ここで重要なのは「ポジティブ対ネガティブ」で判断しないことである。ネガティブを無視してポジティブだけ追いかけると悲惨な結果が待っている。スピリチュアル産業を見れば良く判る。

活動帯域の変化は、自然の促しによる菜食化に顕著だ。数年かけて食生活を含む生活習慣が変わっていったというのは「調律される振動帯域が変化した」ことの証拠である。

菜食になるとは、スーパーマーケットの商品80%が不要になる状態である。この概算だけでも、現状維持を支える80%を捨てていることが明確だ。ほとんどの食品にノーと言うため、自然と余計なものを取り込まなくなっていく。その結果、人間装置の重い振動が外れていき、軽く高速な振動帯域へと調律され易くなる。

挿絵:菜食化による振動帯域の変化

市場ではグラウンディングの誤解も散見される。要は地に足をつけて、スピスピ・フワフワしない、現実に戻るということであるが、これは肉やジャンクフードを食べることで解決されるわけではない。そもそもの理解が歪曲されている。

グラウンディングしたければ根菜を食べれば良いし、重心を下げる安定効果のある野菜は雰囲気でわかるはずだ。北インドで生活していた時、菜食の人々と共に過ごしていたが、彼らはスピスピ・フワフワしておらず、普通に地に足のついた活動をしていた。

もっといえば、地に足をつけるという概念を再考する方が良い。地に足をつけていれば問題が解決するわけではない。感情と電磁網に深く結び付けられた投資・隷属の黒魔術であるマネーシステムに依存することを見直す必要もある。

注記:スピリチュアル産業では、地に足がついていないと貧しくなるという金に固執した話がテンプレ化している。金に波長を合わせるために低密度帯域に調律する場合もある。

情報・活力における高密度化、そして活動帯域の変更は「気分を変えること」として認識されることが多い。それが単発的な現象や外的要因からではなく、自律によって為されることを「心の実装を変える」もしくは「自我系の設定を変える」 と技術的には表現する。

私たち人類は非常にせっかちだ。即断即決、猪突猛進、結果を即座に期待してしまう。何らかの「ものづくり」を手掛けていれば分かることではあるが、変化は長期間の小さな変更が閾値を超えると表面化するのであり、即席ではないのだ。

最近ではAIがアプリを高速に開発するという売り込みも多いが、実際使ってみると足場(スケルトン)の用意ができる程度だ。仮に実装が自動化・高速化しても、事業として成立するかどうか、そしてもっと重要な「根本課題を解決するか」という無視されがちな主題には答えを提示できないのである。

有機的な惑星仮想化技術も、人間装置の高密度化も、心の技術による文明刷新も、時間と労力がかかるのだ。裏方の技師が不足しているとはこのことである。

分析:最低状態から性能強化へ(フロー分析)

人間装置の性能強化は「ソリューションエンジニアリング」である。

ソリューションエンジニアリングとは技術的解決であり、対象の問題を理解し、論点・課題を特定し、解決策を導入・展開する仕事のことである。直訳すれば解決工学であり、主に情報技術のことを指す。

前述の筆者の事例では「どのように廃人状態から使命遂行レベルに性能を引き上げるか」が論点となる。その論点を3つに分解したのが、100歳現役、10倍処理、5年で基礎構築であった。

外宇宙の存在が惑星課題を解決するために人間装置を試行錯誤の上開発し、最終的に監獄次元で奴隷化するに至ったことは既に述べた。同じように、人類の自由・主権を達成するには「問題領域と解決領域」を特定し、それを段階的に解決していかねばならない。

領域分析:人間装置の性能変化における問題と解決

この図は事例における領域分析である。問題を理解し、それを長期的で根本的な解決へと導くためのモデルであり、戦略立案に必要な資料でもある。フロー分析の前に領域分析を行っておくと全体が俯瞰できる。

問題領域とは、技術的に解決する分野や主題である。一般的には問題が起きている場所をピンポイントする目的で定義されることが多いが、あなたと私にとっては問題領域そのものと周辺・背後にある領域である。

周辺・背後とは、関連する規定や制限を考慮することである。特に仮想宇宙におけるビジネスルール、ビジネスロジック、そしてアプリケーションロジックを考慮しながら問題を論点化していく。換言すれば、文明基盤・遺伝系・自我系・流体・筐体などが問題領域の技術背景である。

解決領域とは、問題に対する技術の導入である。一般的には既存技術を選定・統合することでピンポイントされた問題を解決する。どちらかというと西洋医学的な手術や投薬治療である。貴社とマインド技術研究所にとっては「心の技術を前提とした足元・具体からの戦略的解決」である。

心の技術を前提とした戦略的解決とは、仮想宇宙の技術理解を前提に、あらゆる分野・局面において術式開発や系の統廃合を実施することだ。私たちは技術経営者であるから、詳細まで考慮されたアーキテクチャに力を入れるべきであり、その設計は卓上理論ではなく大量のプロトタイプ検証に基づいて行われるべきである。

挿絵:人間装置のソリューションエンジニアリング

あなたと私は仮想宇宙の技術経営者であり、人間装置の性能強化におけるソリューションアーキテクトなのだ。領域分析の図でいう問題領域(左円形)と問題の技術背景(左角形)を同時に考慮し、解決領域(右円形)と解決の技術背景(右角形)を検討し、中央の交差する領域に技術的な解決策を設計していく。

問題領域も解決領域も、表層的であり顕在化している。技術背景が潜在的で根本的な要因である。貴社やマインド技術研究所が手を入れなければならないのは技術背景である。よって解決も技術的になる。

今回の場合、表層問題を解決できた要因は「戦略行動による術式改変」であった。ということは、人間装置の性能強化は潜在化している技術背景、特に文明基盤や遺伝系をハックしつつ、インフラとしての流体・筐体を再インストールし、表層問題の中核である自我系を自律の習慣で統御してくことが必要になる。

これが伝統的な賢者の石の錬成だけでは力不足である理由だ。とはいえ、錬金術師は長期間継続的に錬成を行うため、自然と自我系の統御(自律)も訓練される。当時認識されていなかった潜在・根本課題こそ、文明基盤への働きかけであった。すなわち「意識と心の関係性」である。

人類未開拓領域である文明基盤と付随する遺伝系、仮想宇宙におけるビジネスルールとビジネスロジックを刷新し、不具合だらけのアプリケーションロジックを格納しているコンテナを解体していく。この責任とやりがいを前提に、領域分析の内容をフロー化していく。

以下の図では、人間装置の強化をシステムアーキテクトとして行うための要点をフローとして記述している。マーケティングにおけるストーリーの骨子を作成するフレームワークを改造し、惑星環境との相互作用・協働を戦略行動に結びつけた。

フロー分析:人間装置の性能変化における戦略行動

このフロー分析は先ほどの領域分析と連動している。自然環境とは仮想宇宙であり、ベアメタルである惑星・存在たちでもある。どの領域から兆しや信号が来ているかは、何度も実験するしかない。とはいえ、私たちは現在仮想宇宙の住人であるから、多くの場合仮想宇宙との相互作用である。

仮想宇宙との相互作用を観察・実験しながら活用していく方法は、古代の錬金術師がアニマムンディ(世界霊魂)の研究を行っていた手法とほぼ同じである。自然の書を徹底的に読んで行動するのだ。

今回の場合、廃人状態からの脱却は「使命・目標を決め、宣言する」というトリガーが発火したことで成された。自己啓発業界でいう意志力である。

意志力はトリガーとしては適しているが、意志力だけで望む変化を起こすことは難しい。システム統合やレバレッジ設計と同じで、複数の部品や系を連携することで「ドミノ倒し」の変化が起きるよう術式を組む必要がある。

人間装置の構成要素も同様で、最初にトリガーとなる一連の出来事があって、徐々に暗号や兆しを解読できるようになっていく。このシステム的な連携と非線形的な増幅を手探りで成功させるのは非常に難しい。

そこで筆者が利用したのが錬金術のフレームワークだ。貴社とマインド技術研究所はさらに強化された「心の技術」と本書(技術書)を使うことができる。宇宙経営のグリモワールである。

要点は「表層問題に直接対峙しないこと」である。

この要点は、あなたの直感に反すると思う。コンサルタントや技術経営者としてクライアントや経営者に同じ提案をすると、まったく理解されないどころか、時に激しく攻撃されることもあった。

理由は「内容を想像できないから」である。人類の傾向として、想像できないものは異常なものとして排除・攻撃するよう支配術式が仕組まれているのだ。このような状況であるから、トリガーやレバレッジを(膨大なプロトタイプ検証を通して)注意深く設計し、戦略行動によってシステム的に解決しなければならない。

挿絵:人間装置を活用したプロトタイプ検証

具体的には、健康状態を改善したければ人生の使命・目標を定義することである。使命・目標を達成するための一環として健康改善ではなく性能強化を図る。超能力や霊能力を目標にするのではなく、仮想宇宙の技術経営のため、最大級の公益に寄与するための機能要件とする。そんな要領である。

結果を変えようと直接対峙しない姿勢によって、全体像で確認した実行環境と開発運用環境の相互作用を一度に検討できるようになる。それが10倍の情報を一度に処理できるようになるということだ。

技術的な解決、ソリューションエンジニアリングを外界や他者ではなく最初に自分へ適用することを「自己準備」という。伝統的に錬金術師やヨギが行ってきたことである。自己準備ができてこそ、公益へと進むことができるのだ。

ソリューションエンジニアリングによる戦略行動を体験を通して刻むことにより、他者へのサービス提供や装置開発の要点が見えてくる。行動変容における要衝が明らかになり、適切なドミノ倒し(増幅)が起きるよう設計することが可能になる。この取り組みの一部がサービスデザインとして商用化されている。

技術背景まで考慮した戦略的な課題解決が「インターフェイスに手をいれることで基盤に働きかける」ことにつながっていく。

要因:変化を技術的に起こすには(トリガー分析)

人間装置の性能強化を再現性あるものにするには、トリガー開発が重要だ。

トリガーとはドミノ倒しの初手であり、心の技術においてドミノ倒しは非線形である。所謂ワークフローのような直線ロジックではない。最近AIエージェントが一種の「考えるインターフェイス」となりつつあるが、現状維持文明が開発する人工知能は線形世界のインターバルを非線形と呼んでいるだけである。

API開発者であればわかると思うが、async/awaitの延長線上に推論とツール(中間モデルとインターフェイス)の自動化が挿入されているだけなのだ。AI部下・AI派遣である。これは「現状維持文明の活動帯域における水平的なマルチタスキング」であり、意識と心にとっては非常に窮屈である。

創造思考が論理思考より優先される人にとって再現性は退屈だ。だが、安心して欲しい。意識と心の世界に完璧な再現性は存在しない。トリガーや戦略指標が再現性あるものになったとしても、あなたの世界と私の世界は違うので、同一の工程にはなり得ない。

仮想宇宙が心の技術によって開発運用されており、人間装置に共通の雛形がある以上、部分的に再現性を持たせることが可能だ。文明基盤である思考様式・行動規範(ビジネスルール)とその応用である遺伝系(ビジネスロジック)に基づいた再現性である。

性能強化のためのトリガー開発において、アプリケーションロジックを格納したコンテナ、主に幽界は無視して構わない。前述のAIエージェントも同じ領域に属しているが、コンテナを継承してしまうと幽界の機能不全を浄化した流体に再取り込みすることになるからだ。

次元分析:人間装置の性能変化における文明基盤の刷新

この図は旧國體・現状維持文明の核となる術式の奴隷状態からどのように「新しい時代、最高の文明」へ移行するかをモデル化している。次元分析というのは、古い仮想次元から新しい仮想次元への一時的な移行を分析しており、活動帯域を変えるという意味で次元移行である。次元上昇ではない。

直感と激しく対立するはずだ。これまでの「ものづくり」では、問題に直接対峙していたことが理由である。これからは、まったく異なる視点・視座から抽象的な術式を俯瞰し、トリガーを開発しなければならない。あなたにとって10倍処理を実現する上で圧倒的な認知負荷になる。

トリガー開発と橋の建設において、なぜシャンバラ・白色同胞団の解体・移管が必須なのか。過去の延長線で検討しても非線形過ぎて理由は見えてこない。しかし、本書を通して構造解析を行ってきたあなたと私であれば、その理由が主に流体・電磁波の領域、幻想のホログラムに関係あることが視えているはずだ。

活動帯域を変更するには、現状維持を支える構造・実装を破棄しなければならない。次元上昇やアセンションとして歪曲されてきた幻想の本質・真実であり、本当の要件である。人々が人間装置の性能強化を通して理想を実現するためには、何をトリガーにし、何を破棄し、どんな橋渡しをする必要があるのだろうか。

トリガー分析:人間装置の性能変化におけるシナリオの特定

このトリガー分析は、旧國體から新國體への変容における要因を特定している。現状維持文明から外宇宙・集合意識への移行である。技術スタックを実現子の依存関係とした場合、心の技術が最も深い要因である。ただし、ボトムアップ・一方通行ではない点に注意が必要だ。すべては超立体・超量子に非線形である。

やはり、直感と激しく対立するはずだ。これまでの「ものづくり」では、表層・具体に集中していたからである。あなたが旧國體を実装・継承し、謀略を展開してきたのであれば、この粒度・抽象度に納得いくはずだ。真の世界における再現性とは「いかに万象の中核となる術式を仕込むか」が論点になるからである。

行動変容を目的とした要因分析をシナリオ特定で行うのであれば、仮想宇宙の構成要素を書き出し、領域を横断する文脈・背景を特定し、それをどう扱うかを検討するのが作戦術・アーキテクトの最重要論点となる。その際、人間装置の技術仕様と具体的な事例研究から深掘りすると確度が高くなる。

再現性の正体とは「振動相似・構造共振」である。ある振る舞い(この場合、行動変容と性能強化)を再現性あるものにしたければ、その中核となる思考様式・行動規範を定め、大衆の振る舞いを相似にすることだ。この手法が悪用されると、現在起きているハイブマインド化されたゾンビを量産してしまう。

デザイン思考が根本課題を解決しない理由もここにある。デザイン思考で根本原因を特定するには、術者が意識と心の関係性を理解し、心の技術を習得し、仮想宇宙の技術経営に参加していることが条件になる。システム思考も同様で、仮想文明・幻想のホログラム・電磁波世界をレバレッジ分析しても効果は殆どない。

ここでは敢えてトリガーとなり得る要素を変数のままにしておいた。技術経営者・事業責任者としてあなたに熟考してもらうことを想定している。実装されると要衝化するため、無防備・無思慮に解決策を提示するべきでないのも大きな理由である。もっといえば、解答はひとつではないので変数になっている。

とはいえ、技術的な移行シナリオには少なくとも2つの道があり、惑星仮想化・術式開発に関係あることは視えている。レバレッジ戦略は「精心を対象にした術式開発」となるため、自我系・遺伝系に働きかける術式を開発・展開していくことになる。自我系のための自律術式、遺伝系のための使用事例が端的な解答だ。

錬金術師が水銀(自我系・遺伝系)を対象にする理由が視えたはずだ。具体的なシナリオ分析やレバレッジ開発は、別の章で事業戦略として詳しく解説する。


使用事例:人間装置の自己統御と振る舞いの変化

表層問題に直接対峙しないことで個別意識・人間装置の振る舞いが変化する。

事例研究から洞察を引き出したところで、使用事例を検討していく。使用事例(ユースケース)は一般的にシステムの振る舞いや現実世界での利用方法を記述する。心の技術でソフトウェアからハードウェアを生成・統御する場合、抽象度はグッと高まる。

仕様事例:人間装置の自己統御と振る舞いの変化

これは人間装置を実装した個別意識の変化を表している。外界と相互作用する中で、内界がどのように振る舞っているかを可視化したものだ。あなたが自己統御によって経験する内的変化を仕様化している。

全体構造はすでに検討した「開発運用における構造・系・部品・素材」と振動相似・構造共振である。こちらの方がより解像度が上がり、密度が下がり、具体化しているが、密度操作における要領は同じだ。

この構造をあなたの本尊・実体が実装している。あなたの意識が人間装置という心の枠組みを活性化することで仮想宇宙の一部を摘み上げているような感覚である。あらゆる局面であなたの意識がベアメタル意識やプラットフォーム意識と相互作用している。分離ではなく集合意識の観点から洞察を引き出すべきなのだ。

モノサシ主導から個別意識の覚醒への変化は、自己統御によって起こる。あなたも私も、これまで能動的で極度に主観的なモノサシを振りかざし、万象の一部だけを評価・使用していた。ほとんどの変数・情報・活力をそぎ落とし、廃棄し、無駄にしていたのである。

実世界の事例では、エネルギーの使い方、料理の仕方、製品の販売などに表面化している。多くのエネルギーを無駄遣いし、食べる前に栄養を捨て、横並びの無駄な製品を開発してきた。このような現象が起きる根本原因が「モノサシ主導」の実装なのである。

表層問題に直接対峙しないことがどれくらい重要か、視えてきたはずだ。貴社の「ものづくり」事業において、表層問題は観察対象ではあるが、製品を直接展開する領域ではない。既存事業との明確な違いである。

人間装置の性能強化による人々のウェルビーイングを行動変容や技術開発を通して(惑星規模、文明レベルで)実現するためには、今までとは全く異なる内的変化を起こさなければならない。これが「いかに万象の中核となる術式を仕込むか」という論点である。

振る舞いは結果であり、結果を生成している実現子は技術スタック化しており、実現子はエンドポイントとネットワークの関係、オブジェクトとプロパティの関係、インターフェイスとロジックの関係、そしてハードウェアとソフトウェアの関係として複雑化している。その複雑系を解きほぐし、根本原因をいくつかの重要度に分けて対応すべきなのだ。

モノサシ主導の生き方は、アンデッド化した「操られ放題な」状態である。個別意識の覚醒は自由・主権に立脚した選択の自由および制限の打破だ。文明基盤・遺伝系・幻想系の支配・操作を打ち破り、私たちの手でルールを書き換え、ロジックを再定義し、思考・感情を公益実現のコントローラーとして活用するのである。

挿絵:アンデッド状態からの覚醒

中立・両性の状態で通信内容を全受信する。これは伝統的にハートの活性化として理解されてきたインターフェイスの変化である。この状態が定常化すると、圧倒的な情報量を一度に受信し、感情を先行させることなく内容の深いところまでいったん理解することが可能になる。

とはいえ、アセンションの幻想同様、ハートの活性化で問題が解決するわけではない。自己統御が必要になるのは自我系の方だ。大量の情報を処理できるということは、嘘や本音、その背景や当該人物の感情まで、あらゆる情報・活力を解析しているということだ。怒りが湧き上がってきた時の対処は今まで以上に大変だ。

解体すべき要衝は幻想系である。自己統御と系の統廃合が進むと、支配されてきた系を選択的に使うことが可能になっていく。遺伝術式に縛られていた状態から遺伝系に良質な術式を共有する貢献者になる。技術者でいうオープンソースプロジェクトに貢献する状態だ。

ここまでくると、ある程度の自己統御と性能強化が実現し、世界は全く異なる姿に変容する。現実は鏡だという伝承はこの「フィードバックループの再解釈」のことをいう。貴社が目指す「ものづくり」の中間地点である。多くの人々に新しい術式(を内包する製品・装置)を提供し、世界を変えるのだ。

その時、あなたは次の段階に進んでいる。文明基盤への術式設置である。そうなれば、もはやあなたは仮想宇宙の技術経営者であり、貴社は文明規模の破壊的イノベーションを起こす100年企業になっているはずだ。