第4章:技術経営に直結する仮想宇宙という基盤

Mana K が 2025年02月01日 に投稿
惑星文明の一部として存在する、仮想宇宙という開発運用環境。山積する問題や脆弱性を解決する技術経営手法を確立するにあたり、術式を組み込む基盤の仕様を経営・事業・技術の3視点から理解したい。


経営視点:仮想宇宙における技術経営の確立

文明規模のゲシュタルト崩壊を起こしながら確立するのが、仮想宇宙の技術経営である。

経済界における技術経営もイノベーションと関係があるように、仮想宇宙や文明基盤における技術経営も惑星規模のイノベーションと関係がある。本書が技術系の経営者・事業責任者・職人・技師に宛てて書かれているのはそれが理由だ。

全体像:仮想宇宙経営に係る目的・課題の特定

仮想宇宙の技術経営は、文明に特化した「銀河標準の経営手法」である。

経済界と仮想宇宙における技術経営の大きな違いは、その目的である。経済を目的としているか、文明に注力しているか。この違いは非常に大きく、システム思考でいう最大級のレバレッジでもある。さらに文明に注力している場合でも、勢力によって目的は大きく異なる。これが分極モノサシで単純判断できない理由だ。

経済を目的としている場合、現時点では金を大量に稼ぐためにあらゆる方便・言い訳をつくり出す。環境改善や社会貢献というのは建前で、本当の目的は違う。目的は二重化(仮想化)されており、仮想宇宙利用者と管理・経営・開発運用で目的は異なっている。すべてが表裏、本音・建前で分離しているのだ。

文明に注力している場合、あらゆる要素・手段はあるひとつの壮大な計画に整合される。ただし、ここでいう壮大な計画は、旧國體・言霊学などが目指している世界と新國體・心の技術で全く異なる。目的は思考様式・行動規範の基盤であり、旧國體は天神(天津神)に帰結し、新國體は真源および集合意識に帰結する。

比較表:技術経営における思想の違い

この比較分析を理解する上で重要なのは「善悪は関係ない」という基本である。さらに「移行・接合の可能性を考慮する」動的な視点である。分類や比較というのは極端に静的であり、ある時節および状態を切り取って単純化した便宜表現に過ぎない。技術経営を行う上で、指標や四半期のみで判断できないのと同じだ。

移行や接合に関していうと、旧國體から新國體へ自身や組織の思考様式・行動規範を円滑移行することも、ある時点を起点に接合することも可能である。Gitレポジトリを活用した文明開発において、適切にブランチのマージを行う要領だ。誰かを悪と断じた瞬間、そこに分離・対極を生じ、集合意識の達成は遠のく。

目的の一致、構造・系の統廃合は善悪に関係ないのである。あくまで系として目的達成に貢献するか、構造の一部として統合稼働するどうかで判断される。技術経営において、この理解は要点である。犯人探しや陰謀暴きが不毛な理由もここにある。技術経営の一環として検討されるのが望ましい。

ここで疑問に思うかもしれない。なぜ表裏や本音・建前を知ることができるのかと。もちろん、技術的な理由がある。書籍やネットの情報を鵜呑みにして書き出しているわけではないのだ。端的には「自然の書を読んでいる」からであり、宇宙錬金術の基礎である。

理由は大きく3つある。分類は技術・調査対象・調査内容だ。

技術的にいって、意識や心の技術は表面化した情報・活力だけを対象にしていない。そうでなければ仮想宇宙や外宇宙の情報・活力を研究することはできない。心の技術を意識で扱うと、隠れた意図や構造に触れることになる。集合的な系に働きかけることで、表面化しない情報・活力を研究することが可能になる。

調査対象は個別意識ではない。人間装置を実装している個人を対象にしていない。犯人探しや陰謀暴きを対象外にしている理由だ。心の技術による仮想宇宙経営および文明刷新は、惑星・種族・文明基盤を対象にしている。経済界とは異なり、個人や団体の言動のみを監視・分析しているわけではないのだ。

調査内容は、個人や団体の意見や表面化した情報ではない。建前としてどんな言葉や表現が使われていようとも、その思想や論理が継承する中核は隠すことができない。これは振動相似・構造共振の理からも明らかだ。心拍や声で判断せずとも、書かれた文章や実行される戦略から伝わってくる。

詐欺や我欲が中核の情報・活力であるならば、それが振動・構造として表現され、支配や隷属が中核であるならば、表向きどんな難解で特別な表現を使っていても、継承内容は何らかの形で表現される。戦略立案者や戦術実行者がそのことを認識していなくても、継承内容は遺伝技術によって表現されるのだ。

これは選ばれた特別な者たちだけが使える、血統限定の超能力や高等秘術などではない。あなたと私が使える(汎用魔術的な意味で)一般化された技術である。前章でテレパシーによる意思伝達を構造として把握したのにはこういった背景がある。

技術というのはエリート主義や媒介ルールを廃し、一般化・汎用化するために存在する。情報・資源の非対称性で大衆を統治するための秘匿対象ではない。

もちろん、技術を習得・活用するための要件・仕様といったものは存在する。それは仮想化技術を搭載するための機能要件や技術仕様が定義されているのと同じだ。長期継続型の鍛錬・断捨離など、大衆が厭うことや絶対にやろうとしないことがそれにあたる。

仮想宇宙経営における論点は、多様な思想・目的を持った勢力が争っていることに集約される。山積する問題は分離・衝突によって引き起こされている。本質的な目的と思想構造が同じにも関わらず、互いに対立しているのだ。その理由は、彼ら自身の理解を超えたところに存在するため、論点は一向に解けない。

その論点を解くためには、仮想宇宙経営を「意識と心の技術」で捉え直し、統治や経済ではなく、技術経営として確立していくことが重要だ。仮想宇宙のイノベーションとは、仮想宇宙そのものを廃止することであり、これまで争いの元であった利権構造そのものを消滅させることである。

これは段階的に達成される目標だ。善悪の判断は障害であり、英雄・犯人の設定も不要である。あくまで技術的に統廃合できるかどうかを定めていく。この技術経営の確立が、当面の最終目標「外宇宙との標準接続を伴う集合意識の達成」における成功要因だ。

惑星文明を高度な銀河文明として再構築することと同意である。この最大級の公益に寄与する戦略行動こそ、貴社の仮想宇宙経営における目標・課題なのだ。

経営理念:個の主権と集合意識を同時に実現

技術経営の目的は「個が自由・主権を達成しつつ、種族および惑星規模で集合・統合する」ことである。

これは根性論でも精神世界の戯言でもない。必要以上に引き延ばされた真実探究という名の迷宮を彷徨う哲学でもない。科学的かつ技術的に成し遂げていく惑星規模の大事業である。科学的・技術的に成し遂げていくのだから、定義が重要になってくる。

定義は「個別意識の自由・主権を確立した状態で、高度な文明として集合意識を達成した状態」である。これが仮想宇宙の技術経営を確立し、経営していく上で最大のレバレッジとなる。

図解:目的達成に向けた技術経営の確立

この図で表現されているのは「技術経営の確立によって達成する目的および目的を支える3つの目標」だ。確かな基礎に立脚した3本の柱を建てることで、目的達成が建造物(構造)として成立する。

左右が使命・目的として定義された成功要因・基本戦略である。左側が意識とその状態、右側が心の技術とその活用だ。意識が心を介して表現するのが文明であるから、意識の状態と心の構造は比例関係にある。

これは錬金術師の秘術でもある。錬金術師が工房に装置を設置する理由は「内面と外面を等しくする」ためであり、それは「内界と外界を同じものとして扱う」ことである。アタノールという炉を自作し、情報・活力を操作する秘術だ。

意識が心の構造を通して個別意識の活性化と集合意識を達成する仕組み。その仕組みを抽象化したのが、この技術経営の枠組み(経営フレームワーク)である。

さらに定義を明確にするために「そうではないもの」を理解しておきたい。経営構造において、廃棄する構造・系などを以下に示す。

  • 分離思想(神人、天地、優劣など)
  • 階層型の統治機構(神・君・臣・民・忌など)
  • 血統・エリート主義(王族、皇族、貴族など)
  • 媒介ルール(神と人の仲介役)
  • 謀略と秘匿情報による遠隔支配
  • 自然の裁きを装った攻撃
  • 罪と罰の概念、飴と鞭の仕組
  • 仮想敵と戦うための一致団結
  • 天地人の構造を利用した武力行使
  • 他星系・他種族との密約および独占契約
  • 利権、統治権に係る技術の独占・行使
  • 惑星規模の文明リセットと進化の管理

上記「そうではないもの」は、これまでの仮想宇宙や旧國體が継承してきた構造・系であり、仮想宇宙の段階廃止に伴い消えていく。すべて自他を分離するために設計された要素であり、天を持ち去った遺伝技術に関係するため、個別意識の自由・主権を実現しながら集合意識を達成する障害となるからだ。

これまでの構造は、これからの障害である。枠外しが重要なのはこれが理由だ。

仮想宇宙のイノベーションおよび文明基盤の刷新を手段とした「個別意識の覚醒と集合意識の達成」が何を内包するかも確認しておきたい。統合・採用対象となる構造・系などを以下に示す。

  • 自由・主権を前提にした総意・均衡
  • 円形・球体としての協働体制
  • 等価な擬似分離による個別体験
  • 不要な創造機構・管理組織の廃止
  • 透明性と複雑性に準拠した戦略
  • 自然の書に基づいた文明刷新
  • 科学と技術に立脚した文明創造
  • 非暴力の姿勢で攻撃や妨害を回避
  • 天地人の構造を改善した仮想化技術
  • 外宇宙との標準接続および協働体制
  • 公益に寄与する技術の公開・共同開発
  • 責任ある惑星の開発運用(DevSecOps)

注記:非暴力の姿勢で攻撃・妨害を回避するための施策が、責任ある惑星の開発運用と仮想宇宙・外宇宙との協働であり、DevOpsからDevSecOpsへの改善である。

技術経営の確立による仮想宇宙経営と段階廃止。個別意識の覚醒と集合意識の達成を目的としたこの全体戦略。上記のように廃止・採用対象を明確にすると、3本柱および両翼構造の解像度が上がってくる。

本来、銀河レベルの惑星・文明経営とは技術的なのだ。投資・隷属の黒魔術に立脚した経済ではない。

このことは何度繰り返しても問題ない要点である。これまでの経営というのは、最も不要な類の構造・系ということだ。その理由は「そうではないもの」を熟考すれば簡単に視えてくる。仮想文明・仮想宇宙の背後に隠れていた組織・構造が浸透させてきた事象・具象を解体し、廃止するのだから当然だ。

注意点がひとつ。現時点で廃止対象となる構造・系を実装している個人・組織・勢力を善悪で断じてはならない。自他を分離させる善悪・光闇の感情的な概念は適切に破棄される必要がある。分極概念および二分法による判断は、未熟な文明が高度な文明へと成長するキッカケ(トリガー)でしかない。

私たち人類は、二極モノサシという補助輪を外し、自転車という文明を自分たちで走らせる必要がある。

前述のように「移行・接合・統廃合」の可能性および期間があり、2020年から2030年を目安にしている。この間にどんどん移行すれば良いだけであり、特にインターフェイスと通信内容に手を入れることが重要だ。これがマインド技術研究所の「隠れた構造の透知分析による見解」である。

技術要件:外宇宙との標準接続を達成する手段

技術経営が創造する価値は「不要な構造を廃した高度文明との標準接続」である。

経営視点での技術要件は、価値創造のための技術的な論点だ。外宇宙との標準接続を達成するために、既存構造をどう変更するか、技術が持つ可能性を公益のためにどう活用するかを定義する。

図解:外宇宙との標準接続を可能にする構造

この図は、論点を技術的に解くための青写真だ。技術経営によって達成したい内容を「サーバーレス技術の類比」で概念化している。仮想宇宙と外宇宙の関係を境界として明示した上で、不要な創造機構・管理組織を解体し、段階的に仮想宇宙を廃止していくための要求・価値を抽象化した。

海面に突き出ている氷山の一角しか認識できない状態で支配・操作されていた人類が、潜在的な部分も含めた氷山全体を活用できるようにするのだ。海が不可分の意識であり、氷山が心の構造に当てはまる。意識の海で繋がっているのが体験可能な外宇宙という未知の氷山・大陸である。

挿絵:氷山の類比で理解する意識と心

貴社がこれまで扱ってきた技術要件とは異なり、抽象的に思えるかもしれない。詳細な技術情報が記載されていないように感じるかもしれない。その理由は「ハードウェアからソフトウェアを検討しているから」であり、その視座を変えた途端、まったく新しい情報・活力が流れ込んでくるはずだ。

意識が心を介して表現する。振動相似・構造共振。惑星仮想化技術による多重仮想化と劣化実装。意識があらゆる心構えや枠組みを実装することで実現する等価な擬似分離。現実創造の歪曲や妨害の原因になっていた「Man in the Middle(媒介ルール)」構造という深刻な経営課題。

これまで検討してきた情報から論点を解き、心の技術を使って価値創造を行っていくのだ。

サーバーレス技術とは、サーバーが存在しない技術ではない。提供側がサーバー管理を担ってくれるサービスだ。SaaSがソフトウェアをサービス利用する仕組みであるように、サーバーをサービスとして利用できる仕組みのことを(まるでサーバーが存在しないかのように見えることから)サーバーレス技術と呼ぶ。

この仕組みはサーバー構築・管理という構造を利用側からゴッソリ消したイノベーションだ。仮想宇宙でいう、解体すべき要衝と化している不要な創造機構・管理組織を解体することと同じである。エリート主義と媒介ルールという文明活動や現実創造にとっての障害を取り除き、創造責任を人類の手に戻すことを意味する。

今までは、支配・操作によって人類の文明活動が制限され、現実創造が歪曲・遅延させられていた。この所謂サーバー管理層をゴッソリ消すことで、意識と心の開発を明晰・円滑に行えるようになる。この明晰さと円滑さが本来の創造環境であり、体験可能な外宇宙に存在する銀河文明と同じ環境・視座である。

先ほど補助輪を外し、自転車を自分たちで走らせるという比喩を使ったが、その真意はここにある。

私たち人類は、顕在化した世界の表面的な問題に直接手を入れようと苦しんできた。それは結果を結果で変えようと踠いてる状態であり、定量的な具象を微調整することで問題に対処してきたことを意味する。原因や構造は隠され、革新的な技術は独占され、洗脳や精心操作により攻撃されてきたのである。

この深刻な経営課題を解決するためには、まったく異なる視座から未開拓領域に手を入れなければならない。それが仮想宇宙のイノベーションと文明刷新なのだ。

貴社が仮想宇宙のイノベーションや文明刷新を行う領域は「これまでの潜在領域」である。それは不要な創造機構・管理組織によって代行され、秘匿されてきた海面下の領域だ。人類が潜在意識、無意識、宇宙意識、幽界・霊界・神界などとして思考停止してきた未開拓領域のことでもある。

障害となってきた構造を解体し、文明活動におけるサーバー・インフラ環境を構築・管理する。それが貴社のような「ものづくり」における達人たちなのである。


事業視点:仮想宇宙という人類未開拓の領域

目先の利益や目立つ役割に踊らされない事業家にとって、仮想宇宙は最高の課題解決領域である。

完全なブルーオーシャンでありつつ、既存事業という足元・具体から始められる。今日から参入可能であり、初期の小さな課題には費用もかからない。しかもそのブルーオーシャンは広大で深いため、熾烈な横並び競争が存在しない。むしろ、あらゆる個人・組織・文明と協働するようになるのだ。

挿絵:宇宙的なブルーオーシャン

ラテン語由来のことわざに「静かな水は深い(still water runs deep)」という表現がある。最近では、内向的な人が持つ能力や、物静かな人の隠れた側面などを意味するが、静かな人は危険だという意味もあったとのこと。仮想宇宙という人類未開拓の領域を良く表している。

仮想宇宙や文明基盤に手を入れてきた存在や勢力は、一般に流布されている陰謀や謀略のさらに奥の奥にいる。仮想宇宙で活動する私たちからすると、その正体は完全に不明であった。この広大な領域に働きかけ、開発運用し、運営管理を行ってきた勢力は、秘密結社や友愛団体よりもずっと上位の組織である。

彼らは真意を公言しない。静かに忍耐強く長期間ずっと手をいれるような経営をする。まさに天界の農業を延々と継続してきたのだ。芥子や大麻を密かに育て、製品を静かに市場展開するような経営をする。異世界ラノベの冒険者パーティでいう錬金術師の領域であり、派手な勇者や英雄が手をつけない領域である。

この記述を読んで、最近の世界情勢が頭をよぎったと思う。勇者や英雄の好む文化は、所謂プロレス政治と対症療法だ。派手に戦い、問題と直接対峙しているように見える。やっていることの本質は、敵と戦うスポーツエンターテインメントであり、その背後・内奥にある伏魔殿では別の勢力が蠢いている。

勇者や英雄が踏み荒らした各国が現在どうなっているか。現地で体験すると見えることがある。歴史的に冒険者たちに蹂躙され、グローバル経済で何度も搾取された国ほど治安が悪く、スラムが酷い。

筆者もインドやフィリピンをはじめとする9ヶ国で実際に生活し、うち2ヶ国での生活はお湯が使えなかったり、老朽化で壁が壊れているようなところであった。スマホが盗まれたり、ギャングの殴り合いが目の前で起こったり、日中の公園で強盗にあったりもした。

必要に迫られ、過激な対症療法を断行せねばならぬほど、原因領域は腐敗し切っていたということだ。表面的に自国から問題や不安分子を追放しても、根本治療にはならない。原因は自国や仮想宇宙にあるからだ。

そこに至るまでの長期的な背景や多次元的な課題が存在する。その隠れた根本原因に働きかけるのが、仮想宇宙のイノベーションと文明刷新、特に文明基盤である思考様式・行動規範の刷新なのである。

この検討は非常に重要だ。今後、私たちが外宇宙との標準接続を果たし、銀河文明に参加すると同じ問題が巨大化する。非暴力の姿勢で攻撃・妨害を回避する時、当該勢力をどう扱うかに関わってくるからだ。

単に自分の星系・銀河から追放すればいいのか、他の星系・銀河への影響はどうなるかなど、検討する内容は複雑化し、均衡維持は難しくなっていく。

この広大で深い、未来へと続く重要課題に、貴社とマインド技術研究所は「技術的に」挑んでいくことになる。仮想宇宙は最高の課題解決領域であるとは、この公益・価値の壮大さが理由であり、協働なくして実現は不可能だ。

世界的に展開されている革命・改革という名の対症療法が悪だということではない。それはそれで必要である。結果の世界に対処しなければならない役割もあれば、原因の領域に手を入れなければならない役割もあるということだ。ここに善悪・優劣は存在しない。

理解しておくべきことは、対症療法・結果の世界に近くなればなるほど「分離思想・二極モノサシ」が強力になるということだ。逆に原因の領域に足を踏み入れるほど「等価な擬似分離・集合意識」が理解される。原因に手を入れることが強力なレバレッジになる理由もここにある。

対症療法は派手で英雄視される。原因治療は地味な裏方で、表の歴史に名を残すことはほとんどない。職人や技師のような裏方のプロが仮想宇宙のイノベーションと文明刷新に不足している。デジタル技術者の不足よりも切迫課題である。

文明トレンド:経営母体の変更と引き継ぎが起きている

現在起きている混沌は、経営母体の変更と計画の引き継ぎによって生じている。

天津日嗣の経綸という長期計画がなくなり、人類が自分たちの手で仮想宇宙経営から廃止までを行っていく。そのための環境改善期間、つまり引き継ぎ作業が2030年くらいまで続く。

2030年から新文明の試運転が小規模に実行され、徐々に統合と増幅を繰り返し、50年後の2080年くらいに外宇宙との標準接続や集合意識の達成が明確化するはずだ。

グローバリズム崩壊から文明規模のゲシュタルト崩壊へ。仮想宇宙のイノベーションと文明刷新の推進が加速。この変更・推進における潜在期間が2020年から2025年までであり、2025年から2030年までが顕在期間である。そのため現在、問題解決における強行手段が表面化している。

これがマインド技術研究所の見解であり、この中間目標・工程の目安は2017年にカンボジアのシェムリアップで夜間停電中に取得した直感情報をもとに再解釈・追加取得したものである。

文明トレンドを要約すると次のようになる。

  • 天津日嗣の経綸が終了(決定事項)
  • 天津金木および天津太祝詞の段階終了
  • 人類が外宇宙の助けを借りて引き継ぎ
  • 仮想宇宙を孤立させる境界の段階廃止
  • 外宇宙との標準接続、集合意識の接続

仮想宇宙を外宇宙・地球内部から経営してきた母体が変更され、私たち人類の手に自由・主権および創造責任が取り戻される過程が文明トレンドだ。今起きている宇宙的で大規模な変化である。

直近の文明トレンドを年代・目安で記述すると次のようになる。

  • 2010年 - 支配体制確立の失敗(起点)
  • 2020年 - 天津日嗣の経綸が終了(革新)
  • 2025年 - 環境改善の具体化(顕在)
  • 2030年 - 新文明の雛形稼働(試動)
  • 2080年 - 外宇宙との標準接続(目標)

21世紀の前半は、起点確立と大事業の立ち上げである。後半は新文明の本稼働から目標達成、個別意識の覚醒から集合意識の接続へと進んでいく。22世紀には高度な銀河文明としての初期段階を経験しているはずだ。貴社がこれから参入する大事業は、人類未踏・文明規模のスタートアップなのである!

天の周期である12年として記述すると次のようになる。

  • 2013年 - 新文明の起点固定(集積)
  • 2025年 - 新文明の基盤開発(統合)
  • 2037年 - 新文明の試験運用(増幅)
  • 2049年 - 新旧文明の統廃合(統合)
  • 2061年 - 新文明の本格稼働(増幅)
  • 2073年 - 外宇宙との標準接続(統合)
  • 2085年 - 集合意識の接続(目的)

注記:あくまで目安。事業と同様、計画・工程として見ていただきたい。

文明トレンドを3種類記述したのには理由がある。ひとつは「直線時空の概念から自由になること」であり、これが達成できないと外宇宙から地球の未来を確認できる勢力に操られる結果になってしまう。もうひとつは複数の視点・切り口で文明の変化を確認することで疑問や納得感を引き出すのが狙いだ。

最後の理由は、貴社やマインド技術研究所が「目的から逆算し、目標を設計に役立て、オブジェクト指向で集積・統合・増幅するための技術経営を確立する」ことだ。

これは預言ではなく、意識が実装する心の構造(宇宙構造)を解析した結果である。技術経営を確立し、大事業を推進するために必要な情報の可視化なのだ。

システム思考:思考様式・行動規範の刷新が急務

文明基盤である思考様式・行動規範の刷新が切迫課題であり、同時に強力なレバレッジである。

文明基盤の刷新。それは外宇宙というシステム外部のパラダイム(規範、モデル)を仮想宇宙内部に持ち込むことである。外宇宙との標準接続を確立するための構造変更であり、強力なレバレッジ戦略だ。

この戦略は振動相似・構造共振の理に基づく、文明インフラを標的にしたエシカルハッキングである。仮想宇宙のイノベーションと文明刷新において、インターフェイス実装が効果的な理由もここにある。

外宇宙の心構え・枠組み(インターフェイス・フレームワーク)を仮想宇宙の文明基盤に設置することで、共通部品(モジュール)を介した通信を可能にする。共通要素の実装が進み、解像度が上がった時、外宇宙との標準接続が確立されるのだ。

第1章の用語集で、文明基盤は仮想宇宙と人間系の両方に係ると定義した。これは多次元的な課題解決領域を横断する文脈・背景として思考様式・行動規範が存在することを意味する。仮想宇宙という基盤環境、人間系という実行環境を横断する背景・文脈としての課題解決領域(コンテキスト型サブドメイン)である。

サブドメインの橋渡しをするコンテキストでありながら、それ自体がサブドメインでもある。文明基盤は解決空間でありながら、問題空間でもあり、しかもMECE(漏れなくダブりなく完璧)に切り分けることができない。後述するが、SAN(Storage Area Network)仮想化におけるファイバチャネルスイッチとストレージの一部を統合したようなブロックストレージなのだ。

注記:ブロックストレージとは、データを定型分割して保存する技術のこと。デジタル世界における「等価な擬似分離」を表現している。遺伝子(固有識別子)がモザイク状に保存されており、必要な遺伝子を呼び出して特定の部品・系・構造を創造するような技術である。

このブロックストレージのような文明基盤は、仮想宇宙という広大で仮想化されたストレージに存在しており、転生の際にもテンプレートやワークロードなどの雛形として参照・展開される。前章の術式開発における技術要点で、思考様式・行動規範の根本定義が仮想宇宙というストレージに属し、応用定義が遺伝系というレポジトリに属すると記述した理由でもある。

挿絵:文明基盤というブロックストレージ

事業視点で文明基盤を見る時、それは「ビジネスルールの定義」である。

思考様式・行動規範の根本定義を仮想宇宙が担当するということは、ビジネスルールというフレームワーク(枠組)を仮想宇宙が保持しており、そこに目的や制約などが定義されているということだ。文明基盤に定義されていない内容を仮想宇宙内部で表現することはできないのである。

応用定義を遺伝系が担当するということは、ルールやプロセスの実装に係る定義、ビジネスロジックが大量に保存されているネットワーク貯蔵庫を意味する。ネットワーク貯蔵庫とは、広大なGitレポジトリにCI/CD機能が搭載され、ストレージやハイパーバイザーと円滑統合されているのと同じである。

図解:文明基盤と関連ドメインの依存関係

この図は文明基盤である思考様式・行動規範がどのような領域・文脈・背景として存在しているかを示したものだ。SANを構成するハードウェアとソフトウェアの類比で翻訳した。仮想宇宙が内包する世界構造をこのように俯瞰する時、文明基盤の刷新が急務であり、強力なレバレッジであることが理解される。

システム思考における強力なレバレッジポイントに「システムのルール」がある。システムのゴールがルールを統括し、ルールが情報の構造や流れを制御する。力学としては「ゴール>ルール>ロジック」である。

仮想宇宙でいう、技術経営で目指すゴールが、文明基盤というビジネスルールを定義し、文明基盤が遺伝系というビジネスロジックを制御する状態だ。力学としては「技術経営>文明基盤>遺伝系」である。

仮想宇宙を設計・経営してきた存在・勢力の意図は、この構造と力学に表現されている。彼ら自身がベアメタルとして経営に(ハンズオン)参加することで、現場と経営が一体化しているのだ。経済界の企業経営とは大きく異なるのが、技術経営という「銀河標準の経営手法」なのである。

この存在・勢力の意図を劣化実装し、さらに細かい利権構造として横展開したのが幻想系というコンテナに格納されたアプリケーションロジックである。伝統的に幽界として認識されてきた世界も、主にこの領域に属している。幻想系はあくまでプラグイン的側面が強く、機能不全や不毛な争いの原因となってきた。

詐術「あなたは創造主で、なんでも実現できる」というスピリチュアル産業の誘惑に注意しなければならない理由には、こういう技術的背景がある。

その詐術を真実にするためには、仮想宇宙の制約であるビジネスルールを破らねばならない。ビジネスルールを定義する文明基盤である思考様式・行動規範に手を入れるためには、外宇宙のパラダイムを設置・実装しなければならない。

ワクワク・スピスピした(幻想系に属する)虚構の楽園は、決して自由で万能な世界ではないのである!

参入障壁:技術理解および種族特性に係る役割分担

技術経営における参入障壁は、技術理解および種族特性である。

参入障壁というのは「入りやすいかどうか」であり、差別や情報の非対称性による不調和ではない。あくまで時期や遺伝特性に応じた適材適所である。この点は旧國體と新國體、現状維持文明と新文明で全く異なるので、注意が必要だ。

技術理解とは、これまで述べてきた内容である。本書の内容に関心がなかったり、技術的な表現に嫌悪感を感じるようであれば、おそらく技術経営には適していない。これは優劣ではないので、向かない人はイノベーション曲線でいう後期に文明移行する団体になるだろう。

種族特性も優劣や血統主義とは全く異なる参入障壁だ。入りやすいかどうかの遺伝的な特徴である。抽象的かつ広大で、一見すると曖昧で、視点や切り口で表情を変え、綺麗に分離できない世界を技術するのに向いているかどうか。肌や髪の色など、見た目の話ではないのである。

図解:仮想宇宙経営における参入障壁

一度に多くの変数を抽象的に処理することを、具体的な行動と捉えられるか。直線的な二分法ではなく、網の目として処理できるか。脳ではなく心で受け取れるか。デジタルではなくアナログ処理できるか。多様な文脈を統合し、瞬時に矛盾や衝突を解消できるか。複雑なものは複雑なものとして解決策を講じることができるか。

脳に焦点を定めるデジタル世界と、心を起点とするアナログ世界のような違いだ。脳と心の対比は、これまでマインド対ハートや、ブレイン対ハートとして二分されてきた内容とは異なる。脳は人間装置の構成要素、心は宇宙の構成要素である。規模と複雑性において二分法で対比できるものではないのだ。

注記:デジタルとアナログの対比は、大半の変数・構成要素を無視するかどうかの違い。

現状維持文明は西洋思想が支配的であるため、直線的なロジック、二分法、根拠、端的な原因と結果の法則、具体的で膨大な説明などが特徴だ。本質の周囲を何度も回転するような説明が求められる。仮想宇宙の技術経営から段階廃止においては、その縛りから自由になれるかどうかがそのまま参入障壁になる。

現在物議を醸しているジェンダー問題は、均質・均一ではない種族を強引に統一しようとしてきた結果起きている。遺伝や種族の特性を無視し、統一世界(ワンワールド)を進めてきた結果なのだ。対抗勢力がその計画を利用したり横取りしようとすればするほど、仮想宇宙はさらに激しく仮想化され、私たち人類は多重の檻に囲まれ、監獄世界に深く閉じ込められてしまう。

性別は分類だ。他人の分類をとやかくいう必要はない。この仮想宇宙における人間装置の仕様として男女という2種類が創造されたという話である。陰陽三元とは、中性を含む心の枠組みであり、この三元の情報・活力に基づいて(均衡調整により)万象が創造されているということだ。

性別に優劣はなく、特性や適材適所が存在するだけである。すべてを均一モノサシや均質ルールで縛ろうとするから問題になる。他人や他国を自分のルールに従わせようとするから、本音と建前がまったく違う内容の戦争が多発するのだ。

分類を重視し過ぎることは、単なる銀行券や数値である金に執着し過ぎる思考様式・行動規範に似ている。性別も金も単なる手段である。あなたの本尊である意識に性別は存在しない。金だけは絶対に貸さないという人も多いが、その思想を翻訳すると「金が人生で一番大切」と言っているに過ぎない。

性別という分類がここまで問題になっているのは、もともと存在していた性差別をレバレッジして統治に利用しているからだ。支配・操作術式であり、投資・隷属の黒魔術である(古代から連綿と続く)マネーシステムと同じ思考様式・行動規範によって経営されていることに注意しなければならない。

仮想宇宙経営の参入障壁である種族特性とは「情報処理における特性が遺伝レベルで存在するので、特に初期段階の技術経営には適材適所が存在する」ということだ。要は新規事業の立ち上げが得意か、既存事業の推進が得意かという話である。

この個人差は主に人間装置を構成する部品や系に関係がある。これまで検討してきたように、それは心の部品をどのように継承し、心構え・枠組みとして実装しているかの違いでしかない。あなたの本尊や仮想宇宙の実体に近づけば近づくほど、すべては等価な擬似分離というブロックストレージで構成されているだけなので、そこに優劣などありはしないのだ!

ちなみに同族意識というのは、仮想宇宙を設計した存在・勢力が心の系として創造した術式である。書籍「ヴォイニッチ手稿の秘密」に載っている特定の植物がそれにあたる。この同族意識の有機術式は、音叉の共鳴やメトロノームの共振と同じ仕様で設計されている。思考様式・行動規範という文明基盤があって、その土壌に根差した植物が共振共鳴するような構造になっている。

挿絵:共振共鳴する同族意識の有機術式

これは集合意識と個別意識の劣化実装と見て間違いない。外宇宙の集合意識をデジタルで劣化実装し、同族意識の枠組みとしてメタバース化したようなものだ。

技術経営の確立・新文明の立ち上げに向いている人々がある程度集まって協働すれば、同族意識の術式を活用しつつ、集合意識の接続を促進させることにもつながる。すべては振動相似・構造共振であるため、このような働きかけを外宇宙のパラダイムを持ち込みながら実行することができるのだ。

このように、経済界の参入障壁や競争優位性(unfair advantage)の概念とは内容が異なっている。個別意識の覚醒と集合意識の達成という大きな目的のために、仮想宇宙の技術経営を確立し、外宇宙の標準接続を確立するための適材適所がそのまま参入障壁となっているだけなのだ。これが「自然な棲み分け」の正体である。


技術視点:革新・刷新の観点から基盤を解く

技術視点では「切迫課題の解決とその先」が仮想宇宙経営の要点になる。

論点は、目先の問題・利益の先を見据えたアーキテクチャ設計である。これまでの経営手法では、到底この論点を解くことはできない。技術経営を確立し、既存の「ものづくり」技術を足場とし、未開拓領域に手を入れる地図が必要だ。

挿絵:未開拓領域に踏み出す

未知の領域に踏み込む際、過去の経験に頼るのが通常だ。ここで考えたいのは、過去の経験から直線予測できない事態に対応しなければならない時、あなたならどうするか(という思考実験)である。

この思考実験こそ「ソフトウェアからハードウェアを生成・統御する」という発想の転換だ。これは3Dプリンターでオブジェクトを生成する要領で、物質という固定観念を外して実験することに近い。ソフトウェアがそのまま素材の一部になる感覚だ。意識と心の組み合わせが多重に折り重なる「ものづくり」である。

経営・事業・技術いずれの視点においても、私たちは結果から万象を定義する習慣がついており、この思考の癖が問題への対処を難しくしている。仮想宇宙内部の科学は演繹・帰納を問わず、結果の学問なのである。

頭で考えても解らず、理屈に合わず、ハラオチしないのが「意識が心構え・枠組みを実装することで万象を経験している」という術式開発の基本であり、それが解決策へとつながることだ。プログラムされた思考による実験の限界である。

ではどうすればいいのか。解答を仮置きして実験するしかないのだ。意識と心の関係性が古代から隠され、上書きされてきた以上、正解を先に知ることはできない。古代の錬金術師が装置を自作し、実験したことを思い出して欲しい。

ただし、経験や結果を応用することは可能だ。それが振動相似・構造共振と劣化実装である。その延長が、私たちが術式や遺伝を無意識に表現しているという事実だ。文明基盤とその応用である遺伝系の内容が表現されている。それが、この仮想宇宙内部に存在する文明であり、私たち個人なのである。

青写真:外宇宙と標準接続する文明構造

理想の文明を青写真として表現することは、直線時空から自由な状態である。

理想の文明とは、個別意識の覚醒と集合意識の達成を前提に、外宇宙との標準接続がなされた文明である。過去・現在・未来という制約を外して設計することは、並行現実の創造であり、開発ブランチの作業であり、錬金術でいう白の錬成である。

青写真とは、集積・統合・増幅における「集積回路の設計」なのだ。この集積回路に立脚した現実創造が、ソフトウェアからハードウェアを生成することである。魔法陣の上に有機物を置いて錬成する感覚だ。

この開発ブランチにおける並行現実の創造という集積作業とその成果物が、後に現在支配的な現実である商用ブランチにマージされる。術式開発における統合がなされ、そこから増幅していくのだ。

図解:外宇宙との標準接続を果たした惑星文明の構造

この図は仮想宇宙が段階廃止された後の文明構造を表している。左側が不要な管理機構を解体し、人類が創造責任を取り戻し、技術経営を開始した状態を俯瞰したもの。右側が現実創造における速度と効果が改善された術式開発フローである。

この青写真を実装し、統合・増幅を繰り返していくには、移行計画が必要だ。

移行計画:文明刷新から仮想宇宙の廃止

仮想宇宙から集合意識への移行は、大きく5段階に分けられる。

  1. 技術経営の確立
  2. 管理組織の解体
  3. 文明基盤の刷新
  4. 外宇宙との接続
  5. 仮想宇宙の廃止

技術経営の確立が初手であることは、これまで検討してきた目的・方針からも判る。手法が導入されると、現行システムの解析が進み、創造機構とは別に管理組織が存在していることが発見され、解体へと進む。所謂シャンバラの大師たちとして崇められてきた存在たちとその管理系統が解体されるのだ。

段階的に解体および引き継ぎが進むと、文明基盤の刷新を含む仮想宇宙への手入れが可能になる。本書でストレージがすべての実体であると記述してきた理由も明らかになっていく。その実体が展開され、光線や光のマトリックスとして知られる光の立体宇宙、ホログラム環境が理解されていく。

構成要素が具体的に理解される前に準備してきた文明基盤への術式設置、外宇宙のパラダイムを持ち込むという戦略が生きるのがこの局面である。心の構造が変化するに伴い、人間の意識がどのように変わっていくかが実践的に理解されるのだ。

既に術式は設置され続けている。そうでなければ本書は発表できない。この外宇宙と仮想宇宙内部から設置されてきた術式群、変更されてきたネットワークなどが閾値を超えると、外宇宙との接続が表面化していく。霊能者が媒介することで利権を確立してきた世界が崩壊し、技術や情報の独占体制も終了する。

このような過程を経て、人間の集合的な意識が実装する仮想宇宙という巨大な心の構造が崩壊する。この大規模な変化が、文明規模のゲシュタルト崩壊である。その先に、集合意識を前提にした銀河文明と、それに伴う(産業を含む)文明の再構築が控えているのだ。

その大規模なイノベーションに参加するのが貴社であり、貴社の「ものづくり」事業なのである!

優先事項:術式開発と文明基盤への設置

管理組織の解体から文明基盤の刷新へと進むには、術式設置が優先事項になる。

これまで、経営・事業・技術の3視点で外堀を埋めるように基盤仕様を解いてきた。ここから基盤に直接働きかけるという意味で、具体的な検討を行う。

注記:手触り感のない未開拓領域を研究するには、ブラックホールや第五元素のような「スタブ、モック」を外部環境や内包する部分から解いていくと有効だ。ブラックボックスが備えるインターフェイスを何度もハックするような手法である。意識や心の技術において、この宇宙的な探究は役立つ。

以下に技術経営における基盤仕様をまとめる。

  • 仮想宇宙とは無意識・宇宙意識のこと
  • 仮想宇宙はストレージで実体に関係する
  • 実体から展開されるのが光の立体宇宙
  • 仮想宇宙は他の構造・系を内包している
  • 仮想宇宙は他の構造・系の土台である
  • ストレージに雛形が格納されている
  • 文明基盤はブロックストレージとスイッチ
  • 文明基盤はビジネスルールを定義する
  • 遺伝系はビジネスロジックを定義する
  • 力学は「技術経営>文明基盤>遺伝系」
  • 技術経営から文明基盤に働きかける
  • 外宇宙のパラダイムを文明基盤に設置する
  • パラダイムとは心構え・枠組みのこと
  • 心構え・枠組みは通信を拡張・変更する
  • 仮想宇宙は心構え・枠組みから変えられる
  • 心構え・枠組みは術式として開発される
  • 術式は集積・統合・増幅の仕様に準拠する

ここまでが、技術経営の確立によって達成される目的・目標を解くことで明確にした仕様である。ここに追加したいのが、次の2点だ。

  • 惑星環境を格上げする他星系との相互作用
  • 格上げされた環境を仮想化する天地人の構造

この基盤である仮想宇宙・文明基盤、そしてベアメタルである惑星の性能強化により、光の立体宇宙(ホログラム宇宙)を多様で豊かな世界として体験できるのだ。

惑星の性能強化は他星系から情報・活力を取り込む形で行うものと、存在たちが自身の意識を心の枠組みとして展開する2つの方法がある。どちらも基本は同じであるが、実装は異なっている。これがマインド技術研究所が理解している内容だ。

さらに非常に重要な点がある。それは「意識が心の構造をあらゆる規模・粒度で実装することで性能強化されている」という仕様である。基盤としての仮想宇宙や内包される文明基盤だけでなく、人間装置も同様だ。むしろ、人間装置を動かすことが主目的で、基盤はそのために設計されたという方が正しい。

このことが意味するのは、解決したい課題が先にあって、それを解決できるのが人間装置であり、人間装置を動作させるために基盤開発を行い、要件を満たすために基盤および実行環境である人間装置の強化を行ったという背景である。その壮大で高度な技術を別の目的に転用したために問題が山積しているということなのだ。

仮想宇宙が正しく技術経営されていけば、世界は良くなっていく。最終的に(本来種族と文明が目指す)集合意識が仮想宇宙に取って代わるという意味で、補助輪を外して自転車という文明を自分たちの手で走らせるのである。

技術自体は中立で、善悪はない。仮想宇宙経営のゴール・ルールに問題があることが明確に理解されたはずだ。問題のあるゴールやルールが現在の術式を生み出し、人類を多重仮想化された幻想世界に閉じ込めてきたのである。

私たち人類、特に仮想宇宙の技術経営に参加するあなたのような人々は、この術式を取り替えていかねばならない。遺伝系が継承する基本術式が文明基盤にあることは既に理解された。すべての術式が中核とする文明基盤を刷新していくことは技術的に納得のいく話であり、事業的にも戦略的である。

術式の設置方法は、課題解決における背景を考慮すれば見えてくる。それは人間装置を起点・中心に仮想宇宙が経営されているという点だ。

挿絵:実行環境から術式を設置する

あなたや筆者の思考様式・行動規範を変えていくことが、文明基盤の刷新へとつながるのである。あなたが外宇宙から派遣された個別意識であろうとなかろうと、この術式設置という開発業務は実行可能だ。

英雄や勇者とは異なり、裏方のプロである錬金術師の仕事が地味で表に出ないのはこれが理由である。誰も見たことも触れたこともない心の構造にインスタンスから活動を通してフィードバックしていく。この無意識に行われている通信仕様を活用し、仮想宇宙という統合環境・実体世界に変更を加えていくのだ。

次章では、実行環境である人間装置と関連する系を探究する。この実行環境という(オブジェクトの)インスタンスを理解することで、術式設置の効果的な実施方法が見えてくる。

実行環境から世界を変えていく。まさに新しい豊かさを創造するエシカルハッカーの役割ではないだろうか。もちろん、本書を読んでいるあなたのことである!