生きづらい人にピッタリの道
魔術師や錬金術師。超古代の重要な職業であり、現代文明で迫害されてきた人々。近い将来、段階的に顕現する、新しい文明とその構築ステージにおいて重要な役割を果たす道。これから数年かけて、どんどん活性化していく専門分野。
そのトリセツ、素質や業務内容については、これまで触れてきたとおりだ。しかし、ここで改めて「向いている人」について述べておきたい。どんな職業にも適正はある。これは私個人の見解ではあるが、次のような傾向を持つ人が向いていると思う。
それは、社会に適合できず苦しんでいるギフテッドな人々。先天・後天に関わらず、左利きではなく「両利き」な人々。最初のきっかけは何であれ、環境や生命を尊重するヴィーガンやベジタリアン。モノゴトの本質を見極め、システム分析するのが得意なメカニック。アイディアやコミュニケーション内容を立体的な情報構造(つまりホログラム)として展開し、他者とは異なる視点で問題解決に取り組みながらも、搾取され無視され続けてきたクリエイター氣質な人々だ。
もっというと、実話や神話を鵜呑みにせず、アニメやファンタジーですら研究対象とし、類推・類比で深読みできる連想ゲームの得意な人々。そして、魔術や錬金術の「しくみ」が非常にシステマチックであることに氣づいている人々。モノゴトを直線的ではなく、オブジェクト指向で捉えることができる人々。最後に一番重要なのが、それらの叡智やテクノロジーをフル活用して、この世界をより良い場所に変えたいと願う、強い氣持ちを持つ行動派だ。
これらの傾向に共通するポイントは「生きづらさ」だ。多数決の社会で潰されてきた小さな声だということ。均一・均質な文化慣習において、いつも望まない役割を強いられてきたということ。そして、大衆にとっては妄想や精神病としか思えない、特殊な氣づきを持っているということだ。彼らはソーシャルメディアで大声を上げることはめったにないし、職場でも目立たないか、攻撃の対象になっていたりする。
実は、そういったネガティブかつ克服すべき社会の弱点として、これまで排斥対象だった人々は、これからはじまる文明刷新・構築に必要とされる「花形職業」に就くだろう。なぜなら、惑星のエネルギーが変わっている、高まっているということは「情報密度が高まり、認知負荷が増大する」ことを同時に意味しており、それは多数決で優位だった傾向には厳しい環境となるからだ。おそらく、彼らは自身の環境適合で手一杯になってしまい、能動的かつ高度に分散化された自律型の組織として、大量の情報とエネルギーを瞬時に扱うことは極めて難しくなる。
このステージはすでにはじまっている。いつからはじまったかというと、2020年あたりだ。これから2030年までが、大衆にとっての「環境適応フェーズ」であり、少数にとっては「文明構築フェーズ」となる。これは優劣の問題ではなく、これまで述べてきたような傾向を持つ、ゼロイチの立ち上げを得意とする人々が担当する工程であり、文明を錬成する時代になることを意味する。あとに続く工程で、拡大・改善の得意な集団が活性化し、舞台に登場することだろう。先発組が発明で、後発組が革新を担う。
ここで重要になってくるのが「活性化」である。
この活性化は、錬金術でいう四大元素の解体と第一質料の発見からはじまる。現代風にいいかえると、それは「徹底的な断捨離」ということができる。ゆえに、ヴィーガンやベジタリアンに向いているのだ。両利きも同じだ。つまり、固定観念や文明のクセを解体し、他人の魔術プラットフォームで踊らされるのを止め、本質から再スタートするような人々だ。
活性化の過程としてわかりやすいのが、心理学でいう「シャドウ・ワーク」だ。これは本人が無視・封印してきた、意識や感情の統合を指すことが多い。テクノロジー的には、闇であろうが光であろうが、条件づけされた意識とエネルギーを解放することを意味する。
サーバー管理者にわかりやすいように補足すると、ログファイルがディスク容量や論理パーティションを圧迫し、プロセスが機能しない時の対応と同じだ。不要なログを消すか、圧縮してテープデバイスや大容量ハードディスクに移動させるのと何も変わらない。それがエラーログであろうが、アクセスログであろうが、差別しないはずだ。あなたは、エラーログを闇の陰謀として糾弾し、アクセスログを光の勢力として大切に保管するだろうか?
よって、可能な限りバイアスを避けるために、パソコンでいうメモリ領域の解放程度に捉えておくことをオススメする。なぜなら、フルリセットからの再スタートというのは、光も闇も、ポジティブもネガティブも、好きも嫌いも、まとめて術式解体することを意味するからだ。スマホを工場出荷状態までリセットしたときの清々しさを思い出してほしい。ちなみに、OSの再アップデートにかかるオーバヘッド(手間とコスト)は、鉛を金に錬成するための投資だと思ってもらいたい。
このように、古いエネルギーとプログラムを徹底的に解体しつつ落としていくと、第一質料が得られるだけでなく、四大元素のプログラム仕様を理解することもできる。そして、その先にあるのが「第五元素」として知られる、現実創造におけるコア要素だ。そのコア要素は継承系の魔術や錬金術に欠かせない素材でもある。そして、その素材を扱う領域に参入するための異次元ポータルも、徹底的な断捨離の過程で発見される。
意識とエネルギーを扱う超古代文明のテクノロジー、それを担当する魔術師や錬金術師、細かいシステム仕様という知識、加えて秘密の錬金術師ネットワーク、時にシャドウ・ワークが必要とされる、ドラゴンと戦う断捨離ステージのような下意識ダンジョン、その先にある第五元素と異次元ポータル。それらすべてが揃ったとき、個人レベルから惑星文明に至るまで、その進化の道を人類が自分たちの手で切り拓くことができるのである。
ゆえに救世主は存在しないし、誰かが変わりにこの「マグナム・オプス」を代行してくれることはない。強いてその存在を定義するのであれば、それは「今まで排斥されてきた世界人口の2-3%くらいの人々」なのだと私は思う。興味深いことに、それはイノベーション曲線とも一致する。
第五元素の正体、文明の課題
第五元素、クイントエッセンス。あなたはその正体をすでに知っているだろうか。
スピリチュアル産業に深く没入しすぎていると、何でもエーテルとして定義しようとするが、それではダメだ。高い振動や周波数帯域という情報を勝手に「エーテル」と歪曲するのと同じになってしまう。そういう強力なバイアスは今ここで解体し、エネルギーを解放しておきたい。
その前提で、今回も検索エンジン連動型のAIに「魔術や錬金術における第五元素とは何か」を要約してもらおう。バイアスを外してからバイアスを客観視すると、新しい発見があるからだ。
魔法と錬金術の両方において、第5の要素はしばしばエーテルまたは「スピリット」と呼ばれます。地、水、風、火の古典的な元素は、物理世界のすべての物質の基本的な要素であると信じられていましたが、エーテルまたは「スピリット」は物理的なものを超えた高次元の霊的な領域を表していました。エーテルは、宇宙全体または神の概念と関連付けられることがありました。第5の要素のアイデアが普遍的に受け入れられたわけではありませんが、エーテルまたは他の物質であるにせよ、多くの古代文化に存在しました。5つの要素の概念は、現代の西洋秘教主義や一部の現代的な魔法の実践にも存在しています。ただし、これらの概念は科学的に証明されていないため、信念の領域に属するものであることに注意してください。
間違っても、ここで「第五元素はプラズマだ!」と叫ばないようにしたい。そうではなく、この要約を人類の歴史を通じた共通認識、固定観念、解体対象として捉えることがリフレームの出発点だ。その定義は本当に正しいか、問題の設定は適切か、他にもっと別の解釈はないか、という批判的思考と検討オプションを複数持っておくことが求められる。
歴史的背景を考慮すると、理論を成立させるために第五元素という概念を足したようなところがある。四大元素だけでは説明できない現象を、説明可能にするためのアドオンみたいな印象もある。これは、今の科学でも似たようなことが行われては観測や検証が行われているので、特に問題はない。ただ、仮説を鵜呑みにする前に、問題や前提を疑うことは極めて重要だ。
その性質上、魔術や錬金術はギリシャ哲学、シュメール神話、バビロニア占星術、クリスチャン・カバラ、金属加工における専門用語など、既存の枠組みを踏襲する形で体系化されてきた。理由のひとつは、共通言語を使った記述があらゆる意味で最適であったからだと思われる。もうひとつが隠れた秘密なのだが、開発済みの遺伝系とプログラム、集合意識のエネルギーを再利用するため、意図的に思想を継承し、橋をかけたのだ。
ここで、第五元素にまつわる用語をまとめておく。それは、エーテル、スピリット、世界霊魂であるアニマ・ムンディ、第一質料のプリマ・マテリアなどだ。スピリットという単語は、霊魂と訳されたり、精霊といわれたり、精神としてカテゴライズされたりする。書店では、スピリチュアリティに関する書籍は「精神世界」というカテゴリーに分類されている。
つまり、捉えどころのない、よくわからない性質の何かを「第五元素」としているのである。マインド、メンタル、スピリットなどの定義と似ている。だから、この惑星の科学で証明されていないし、あらゆる仮説や憶測が飛び交ったまま、何世紀も過ぎてしまったのである。
この捉えどころのない、よくわからない性質の仮想元素を、そのままにしておくことはできない。問題解決と同じで、漠然としすぎているモノゴトは解決できないからだ。それに、私たちが重視するテクノロジーも、それを再現性のあるものとして扱うことはできない。
とはいえ、方法は存在する。テクノロジー的には、現代科学のアプローチを採用し、スタブやモックオブジェクトのように第五元素を扱うのも手だ。そう、第五元素をグラビトン(重力子)のように扱うのだ。ただし、徹底的な断捨離と、大規模な術式解体が必要になる。
なぜなら、歴史を通じてこの惑星文明は「物質 vs. 精神」や「肉体 vs. 霊体」や「アストラル vs. エーテル」などの二項対立をベースに信念体系が構築されているからだ。それは「現実世界 vs. スピリチュアル」や「マテリアル vs. スピリット」などの対立構造として、ニューエイジ思想やスピリチュアル産業で根強く継承されていることを見れば明らかだ。
実は、この考え方をベースに文明を構築するというのは、絶対音感の上に文明を構築するのと同じくらい脆弱な基盤の上にモノゴトが構築されているといわざるを得ない。なぜなら、相対性、スコープ、環境変数などによって変化するようには設計されておらず、ダイナミックな文明ではなく帯域がフィックスされているためだ。よって、そのまま情報密度を高めていくのは極めて難しい。
これから解体しなければならないモノゴトは、私たちが認識する世界そのものだと改めて氣づいたはずだ。ゆえに、惑星文明を根底から覆すような威力を持つ術式解体なのである。それを達成するためには、勇氣を持って伝統や伝承、一般常識や信念体系というゲシュタルトを崩壊させなければならない。
第五元素の再定義、進化するテクノロジー
では、改めて考えてみよう。第五元素とはいったい何だろうか?
個人的には、それは複数の性質を同時に持つ、ある種のプラットフォームとして知覚される。モノゴトをシステムとして機能させる統合の役割を果たしつつ、通信プロトコルとしても機能し、各オブジェクトやインスタンスへのインターフェイス(接点)を提供し、ロジックやモデルも内包している。そんな宇宙共通のコンパイルされたバイナリ・プラットフォームのようなイメージであり、それを物質や生命力などの機能や役割として完全に分離することは、もはや不可能だ。
これを論拠にしていいかどうかは別として、私個人の体験からすると、エーテル体もエーテル界もモノゴトは完全に分離して存在していない。環境に文字通り溶け込んでいるようだし、自分の肉体に備わるエーテル体も空間と融合しているように視える。アストラル界として知覚される領域でさえ、形態維持と分離は不可能で、何かを引きずるような感覚や動的なシルエットを感じる。
ゆえに、統合されたプラットフォームでありつつも、アプリやユーザーと一体化しているように知覚される。四大元素と第五元素の関係も同じで、完全に切り離して考えることはできない。硫黄・水銀・塩や三種の神器も同様で、それは分離ではなく一体化したモノゴトの性質(オブジェクトでいうアトリビュートとプロパティの融合)として捉えるべきなのだ。
ということは、ハードウェア・ミドルウェア・ソフトウェアとして完全に機能や性質を分離できないことを意味する。いいかえると、ハイヤーセルフ・ミドルセルフ・ロウアーセルフという分割は事実上は不可能なのだ。あくまで便宜上、魔術や錬金術では働きかける対象を課題解決領域、つまりドメインモデリングして、目的に応じた文脈・背景を術式として実装しているに過ぎない。
分割できないプラットフォームでなければ「形の錬金術」や「哲学者の卵」といった、あなたと私が今まさに使っている意思伝達の技術は使えなくなってしまう。細胞レベルのホログラムとその集合体としての個体を、惑星環境と相互作用させる遺伝工学も不可能だ。
神道の霊に関する解釈は、第五元素の性質の一部を最も適切に記述しているように思う。神道において霊は「結び・ムスヒ」と解釈されているからだ。そして、分割不可能なムスヒの霊に、四霊もしくは五霊といった性質を定義している。これは分散したモノゴトをシステムとして稼働させるための隠れた器、つまりコンパイル済みのプラットフォームだ。それは霊的・精心的な基盤であり、錬金術の概念とも一致している。
これを単なる宇宙エネルギーとして乱暴に定義することは避けたい。では、第五元素は何を統合し、何を結合し、何を結びつけるのだろうか?
それは、オブジェクト、インスタンス、モジュール、クラス、メソッド、インターフェイスなどだ。いいかえると、四大元素で条件づけされ、ある性質を備えたエネルギーやその条件といえる。神秘学の用語で例えるならば、第五元素によって精心のプログラム、現実というホログラム、メンタルな分散データベース、サイキックなコントローラーなどが、アプリケーションやプラットフォームとして成立している。
つまり、第五元素の一部がエーテル体として機能しており、思考様式というホログラムとしても稼働している。それは、分散し細分化されたメンタルなデータを結びつけ、現実という名のホログラムを生成するのに役立っている。肉体を中心にした電磁場も同じだ。それらはエネルギーの条件づけとそれを設計・体験する意識によって運用維持されている。
ゆえに、あらゆるエネルギー体は階層性ではない。次元と同じだ。便宜上、理解しやすいように単純化して階層性で説明されているが、それは単なる地図であり、土地そのものではない。だから55次元なんていう霊的ランクは宇宙の共通認識としては存在しない。そういう幻想を強化しないためにも、私たち技師は地図をもとに土地を体験するし、設計と実装の両方を重視するし、歴史と経験を積極的に統合する。
意識とエネルギーという最も原始的なレベルまで遡って、森羅万象を見直すべきなのだ。
では、この再定義された第五元素や四大元素を使って、どのように文明や現実を創造していけばよいのだろうか。大きく分けて2つの方法がある。そして、どちらか一方ではなく両方使って創造していくことが理想だ。これから、その方法を解説しながら、抽象的な戦略を同時に共有する。
ひとつは、意識とエネルギーまで立ち戻って、スクラッチ開発する方法だ。これを私は「意識テック」と呼んでいる。この開発手法を採用する場合、第五元素や第四元素のことはいったん忘れて、既存の枠組みを徹底的に断捨離し、大量の術式を解体することが求められる。これが錬金術の「賢者の石の錬成」として伝承されてきたものだ。ただし、古代エジプトの性魔術や錬丹術などの肉体改造とは分けて理解したい。もちろん、完全に分けて考えることはできないが。
もうひとつは、既存の枠組みや信念体系を利用する拡張開発だ。スタートアップでいう実用最小限の製品(MVP)を拡大していく開発運用(DevOps)フェーズとして捉えるとわかりやすい。私はこの開発手法とテクノロジーに「電磁テック」という名前をつけた。なぜなら、既存の電磁場や関連システムを駆使し、まるで時空を超えたレバレッジのように作用させるからだ。電磁テックとはすなわち、心の技術である。
心の技術は多くの魔術師に好まれている。ただし、この方法が効力を発揮するのは、伝統と魔術の目的が一致している時に限られる。一年の周期、月の周期などを見ながら術式を発動させるのも、基本的には心の技術の領域だ。それは伝統という「遺伝系」を型として活用し、実装をレバレッジしたり自動化している。
ただし、例外はある。術者が集合意識や遺伝マインドをハッキングし、改変できるレベルであればシステムの矛盾は解消できるからだ。ただし、想像できると思うが、失敗した時の術の反動もメチャクチャ大きく、ハイリスクな場合が多いので、あまりオススメはできない。
とはいえ、意識テックと電磁テック、両方を目的に応じて使い分けることが文明構築の成功要因だ。例えば、支配構造や洗脳などと関係のある遺伝系やテクノロジーを完全に外して新しい文明を構築したいのであれば、既存の枠組みを継承することは絶対に避けたい。
その時の戦略は「移行先の基盤系ホログラムをスクラッチ開発すること」となる。逆に、純化された肉体と活性化された遺伝子を有機装置としてフル活用したければ、心の技術を採用するべきだろう。
いずれにしろ、どんなモデリングをし、どんなデザインをしているかに関わらず、基本は「意識とエネルギー」だ。そして「振動相似・構造共振」が原則だ。